ブロードリーフ(IAAE 2018)≪撮影 中尾真二≫

IAAE 2018の会場でひと際大きなブースを展開していたのはブロードリーフ。同社は、整備工場や中古車販売など、自動車業界に特化した伝票処理や顧客管理といったパッケージおよびサービスベンダー。

修理見積、部品発注、請求書処理、DM発送など用途ごとに専門パッケージソフトやサービスを提供しているが、今回目を引いたのは、従業員が数名の小規模な工場での利用を考えた工場業務システム(一新多助)と、必要な業務機能だけを選べるクラウドサービス型のシステム(Maintenace.C:参考出品)だ。

一新多助は、昨年ブロードリーフグループになった「Tajima」が開発していたシステム。ブロードリーフのシステムは比較的中規模以上の工場や販社が対象だったが、Tajimaのグループ入りによって、小規模工場のニーズに対応できるようになった。リーズナブルなパッケージ型ソフトのため、工場のPCにインストールすれば見積書、作業指示書、請求書、在庫管理に必要な作業および帳票出力を効率化できる。修理箇所や板金箇所を画像や写真でわかりやすくした見積書の作成もできる。パッケージ型ソフトだが認証付きの自動バージョンアップにも対応しているので、型式データやエコカー減税データなどを手動で更新しなくても最新データが使えるようになっている。

Maintenance.Cは参考出品なので、製品化の時期や機能の詳細は未定(検討中)だが、最新のクラウドサービス型で、これからの整備工場に向いているものだ。クラウド型なので、契約すればPC、タブレット、スマートフォンでもシステムをブラウザ経由で利用できる。データベースの読み出し、見積書の作成、指示書の閲覧、車両データの確認など、業務システムすべての機能が、タブレットやスマートフォンで作業場からできる。

仕様の詳細も未定とのことだが、伝票作成、在庫管理、DM管理など自分の工場にとって必要な機能を選んで使えるという。操作性(UI/UX)にもこだわっており、導入から最初の利用も画面をみながら進めていくことができる。また、ブロードリーフがこれまで蓄積してきた整備や車販にかかわる膨大なデータ、例えば工場周辺の整備項目ごとの平均的な単価、型式や部品番号の最新データなども利用できる。項目ごとに必要な細かい作業や部品もデータベース化されているので、見積もりや部品発注のミスを防げる。

このようなデータを駆使すれば、例えば「車検」という項目を選ぶだけで、必要な作業や部品の概算が計算できる。これを応用すれば、車検の件数を入れるだけでその月の売上の概算が予測できるので、経営計画や予算計画などの支援ツールにもなる。最新の企業システムはAIやBIツールを利用して、顧客分析、売り上げ予測をできるものがあるが、Maintenace.Cは、それと同様な機能を実現できるという。

Maintenace.Cのようなシステムは、クラウドサービス利用に慣れているベンチャー企業や、若手のスタートアップ企業にとってはむしろ当たり前のサービスかもしれない。ブロードリーフは、これらのシステムで小規模事業者やスタートアップ事業者への支援を拡大していく戦略だ。

参考出品のため詳細画面の撮影ができなかったMaintenance.C≪撮影 中尾真二≫ ブロードリーフ(IAAE 2018)≪撮影 中尾真二≫ ブロードリーフ(IAAE 2018)≪撮影 中尾真二≫