アウディの合成燃料「e-gasoline」の生産施設

アウディは、代替ガソリンとしての利用を目指す合成燃料、「e-gasoline」の生産に成功した、と発表した。

アウディのe-gasolineは、非常に優れた耐ノッキング性を備えた高純度な合成燃料。エンジン圧縮比をさらに高め、効率を向上させる可能性を持つ。e-gasolineは、原油に依存せず、既存のインフラと互換性があり、クローズドカーボンサイクル実現の可能性を提供するという。

e-gasolineは、液体イソオクタン(C8H18)。この燃料は現在、バイオマスから2段階のプロセスを経て製造されている。最初のステップは、ドイツのGlobal Bioenergies社のデモプラントで、ガス状のイソブテン(C4H8)を製造。第2のステップは、ロイナにあるフラウンホーファーの化学・バイオ技術プロセスセンター(CBP)で、水素を加えることでイソブテンをイソオクタンに変換。燃料には硫黄とベンゼンが含まれていないため、燃焼時に汚染物質がとくに少ないことが特徴になる。

アウディの代替燃料は、すでに持続可能なモビリティの大きな可能性を示している。例えば、天然ガスに対応した「g-tron」車の場合、CO2排出量を、従来の内燃エンジンと比較して、最大80%削減することができるという。

アウディは、ドイツのGlobal Bioenergies社と共同で、60リットルのe-gasolineを生産することに成功。このe-gasolineで最初のエンジンテストを実施し、実用化につなげていく方針。