電動車いす(シニアカー)で道路を横断しようとしていた高齢男性と、交差進行の軽乗用車が出会い頭に衝突した。男性は死亡したが、ショートカットでの横断が事故につながったものとみられている。

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10日午前9時10分ごろ、茨城県つくばみらい市内の県道で、電動車いす(シニアカー)に乗って道路を横断していた高齢男性に対し、交差進行してきた軽乗用車と出会い頭に衝突する事故が起きた。この事故で男性は死亡している。

茨城県警・常総署によると、現場はつくばみらい市板橋付近で片側1車線の直線区間。丁字路交差点に横断歩道や信号機は設置されていない。同市内に在住する85歳の男性は電動車いすに乗って道路を横断しようとしていたところ、右方向から交差進行してきた軽乗用車と出会い頭に衝突した。

衝突によって電動車いすは転倒中破。男性はドクターヘリで病院へ搬送されたが、全身強打が原因でまもなく死亡した。クルマを運転していた千葉県流山市内に在住する33歳の女性にケガはなく、警察は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)容疑で事情を聞いている。

現場は見通しの良い区間。約30m離れた場所には横断歩道や信号機が設置され、安全に横断できる交差点もあった。警察ではこの交差点への遠回りを嫌い、ショートカットで横断したことが事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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機動性が意外に良好なので勘違いしてしまいやすいのだが、電動車いすはあくまでも「歩行を補助する道具」であって、車両ではない。今回の現場では、安全に横断できる交差点が近くにあるにもかかわらず、遠回りを嫌ってなのか…、それとも電動車いすの性能を過信してしまったのか、ショートカットで横断しようとして事故に遭ってしまったようだ。