凶悪な交通トラブル事件が相次いでいる中、トラブルに巻き込まれた状況を記録しようと、クルマにドライブレコーダーを装着する人も増えつつあるが、実際にトラブルに巻き込まれ、動画投稿したことが発端となって交通トラブルを起こした高齢の男が逮捕された。

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今年1月、三重県四日市市内の県道で前走車を煽り立てるように走行した後、強引に追い越して進路を妨害。運転者に対して暴言を浴びせながら、手を叩いたとして、三重県警は5日、菰野町内に在住する男を暴行などの容疑で逮捕した。

三重県警・四日市西署によると、暴行と道路交通法違反(通行区分違反)容疑で逮捕された77歳の男は、2018年1月13日の午後1時ごろ、四日市市西村町付近の県道を走行していた乗用車を煽り立てるように走行。対向車線側へはみ出してこのクルマを強引に追い抜いた上で、進路を塞ぐようにして停止。運転していた松阪市内に在住する26歳の男性に対して脅迫めいた暴言を浴びせるとともに、手を叩くなどの暴行を加えた疑いがもたれている。

男性のクルマにはドライブレコーダーが装着されており、男性はトラブルの一部始終をインターネット上の動画投稿サイトにアップロード。これを見た第三者が警察に連絡していた。動画には妨害行為を行ったクルマのナンバープレートも記録されており、警察では登録情報からこのクルマを使用する菰野町内に在住する男を割り出し、捜査を行ってきた。

事故の直前、被害男性のクルマは住宅地の中にある幅員約3mの市道を制限速度(30km/h)を遵守して走行。男のクルマはその後続を走行していた。警察の聴取に対して男は「ゆっくり走っていることに腹が立った」、「車線をはみ出して追い抜いたが、暴行はしていない」などと供述。容疑の一部を否認しているという。警察では被害を受けた男性からも事情を聞くとともに、事件発生の経緯を詳しく調べている。

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住宅地の中を通る細い道路で、被害者となった男性の運転するクルマが制限速度を遵守する状態で走行していたことがトラブルの発端となったようだ。

後ろを走っていた男は「わざとゆっくり走って、自分のクルマを妨害している」と思い込み、片側1車線の県道へ出たところで前走車を強引に追い抜き、進路を妨害して抑止していたという。

被害を受けた男性に妨害の意図は無く、言いがかりをつけられること自体がまさに「寝耳に水」といった出来事だったようだ。

警察庁の指示で交通トラブル事件の摘発が強化されている中、「加害車両のナンバープレートが高画質で記録された映像があれば摘発につながる」ということもポイントだろうか。