東京R&Dと関連会社のPEUS EVが製作したFCトラック。いすゞエルフがベースだ。

東京R&Dと関連会社のPUES EVは、FC EXPOでエルフをベースにしたFCトラックをFC EXPOに展示した。

東京R&Dと言えば、レーシングカーから試作車まで様々な車両製作を請負うエンジニアリング企業で、PUES EVはEVを受託開発する企業であるが、FCVはこれまで聞いたことがなかった。

「これまでもユニットの開発は行ってきましたが、車両1台を製作したのは、これが初めてです」と説明員。この「FCVエルフ」は、これから福岡市で実証実験に使われるそうだ。

燃料電池スタックはカナダのHYDROGENICS社製のものを使用し、モーターはPUES EV製のDCブラシレスで30kWを2基採用。水素タンクは70MPaの36Lを3本搭載している。

事業計画としては2016年からの3カ年計画で、1年目の2016年度は基本設計と性能試験を行い、2年目となる2017年度は車両開発と製作を行ったそうだ。つまり、車両はまだ完成したばかり。4月からの2018年度は、公道での実証実験によって実用性を検証し、量産システムの検討を行うと言う。目標は従来のディーゼル車の1.75倍となる燃費性能だ。

福岡市では下水の浄化工程で発生するメタンガスから水素を取り出す実証実験も行っており、水素生成時にもCO2を出さないクリーンなエネルギーであることから、さらに環境負荷を下げる効果が期待できる。

このところ急速にEVトラックの注目度が高まっているが、充電時間やバッテリーの劣化などハードに使う商用車ではまだまだ課題も多い。一足飛びにFCVへと移行するのも非現実的ではなさそうな気がしてくる。

この実証事業で成果が得られれば、次の段階として冷蔵車や塵芥車などの車両展開も考えられているそうだ。

ボディサイドには実証実験に関わる団体や企業の名が連なる。プロジェクト自体は環境省から受託されたものだ。 搭載されている燃料電池スタックは、カナダのHYDROGENICS製の固体高分子型。 リアゲートには製作に関わった企業などの名称が並ぶ。 燃料電池のシステムはキャブの後に搭載されえている。FCスタックの上に、3本の高圧水素ボンベが積まれている。