昨年12月、静岡県焼津市内の東名高速道路で発生した逆走による死亡事故について、警察は逆走が故意によるものだったと判断。死亡した逆走車の運転者を危険運転致死などの容疑で書類送検した。

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昨年12月、静岡県焼津市内の東名高速道路で乗用車が逆走してトラックと正面衝突し、双方の運転者が死亡した事故について、静岡県警は26日、乗用車が故意に逆走したと判断。運転者を容疑者死亡のまま書類送検した。

静岡県警・高速隊によると、問題の事故は2017年12月14日の午後3時10分ごろ発生している。焼津市野秋付近の東名高速道路下り線(片側3車線の緩やかな右カーブ)を乗用車が逆走。100km/h超の度を維持したままで第1車線を順走してきた中型トラックと正面衝突し、トラックを運転していた浜松市東区内に在住する50歳の男性が死亡。逆走車を運転していた牧之原市内に在住する25歳の男も死亡した。

乗用車は約1.5km離れた日本坂パーキングエリア(PA)から逆走を開始したと断定。道路構造から「故意に逆走した可能性が高い」と判断されていたが、運転者を司法解剖した際に採取した血液から酒気帯び相当量のアルコール分を検出。その後の調べで事故前に静岡市内の飲食店で酒を飲んでいたことも明らかになった。PA内で約1時間留まり、その後に下り本線へ逆走進入していた。

警察では死亡した男が故意に逆走して事故を起こし、巻きこまれたトラック運転者も死亡させたとして、男を容疑者死亡のまま、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)と道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検し、捜査を終了させている。

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事故当時、現場付近を走行していた車両に搭載されていたドライブレコーダーが記録した映像では、逆走車が避けることなくトラックへ突っ込んでいく様子が撮影されていた。このために当初から「トラックを狙ってぶつかったのではないか」と指摘されていたが、警察は「故意による逆走」と最終判断した。故意に衝突させることによって自殺を図った可能性が高いとみられるが、「トラックならば相手を巻き込むことはない」と思ったのだろうか。