国土交通省は、トラック・バス・タクシーなどの自動車運送事業者向けに「脳血管疾患対策ガイドライン」を策定した。

事業用自動車のドライバーが疾病によって運転を継続できなくなるケースが相次いでいる。2014年から2016年に合計1046件発生した。このうち、最も多いのが脳血管疾患の169人。運転中に脳血管疾患を発症すると、意識障害、運動麻痺で事故回避措置が取れず重大事故を引き起こす原因にもなる。事業用自動車の運転者に関する脳血管疾患対策が求められている。

このため、国土交通省では、産官学の幅広い関係者で構成する「健康起因事故対策協議会」を設置し、脳血管疾患対策のあり方について検討してきた。今回、同協議会での議論を受けて、自動車運送事業者が、運転者の脳健診の受診など、脳血管疾患対策を進めていくために知っておくべき内容や取り組む際の手順を具体的に示したガイドラインを策定した。

ガイドラインでは、脳血管疾患の初期症状や原因、予防法などを解説。脳健診をドライバーに3年に1回程度を目安に受診するよう推奨する。事業者には運転者の脳健診、精密検査、治療の結果を踏まえ、医師の指示に従って、勤務時間の変更や業務の配置転換など、就業に配慮することも求めている。