ホンダドリーム川崎宮前店の外観《撮影 山田清志》

ホンダは2月21日、4月から刷新する二輪車の新販売網「ホンダドリーム」の店舗を報道陣に公開した。今後、同店舗を全都道府県に展開し、バイクファンの拡大とホンダブランドの向上を目指していく。

今回公開したのは、東急田園都市線の宮前平駅から歩いて約10分のところにあるホンダドリーム川崎宮前店。外観は黒を基調にし、店内は白を基調としている。3階建てで1階には新車、2階には中古車とヘルメットやウェアなどのグッズが並び、片隅にはソファを備えた歓談スペースがある。そして、3階は車検などの整備を行うサービスエリアになっている。

「今回の新販売網は“生活の可能性が広がる喜び”を目的に、いたずらに量や規模を追い求めるのではなく、質の追求にチャレンジすることを目指した」とホンダモーターサイクルジャパンの加藤千明社長は話し、ファン領域に軸足を定め、ホンダブランド向上のために3つの取り組みに力を入れていく。

その3つとは、まず先進技術を含めた商品、2つ目が市場に柔軟に対応し、市場を拡大できる販売網の確立、そして3つ目が二輪車のあるライフスタイルの提案に加え、高品位なサービスを店頭で提供する販売フロントオペレーションだ。この3つを核にお客の満足度の向上を図っていくという。

現在、国内の二輪車市場は251cc以上の中大型は堅調だが、全体市場は2017年約38万4000台と右肩下がりの状態が続いている。ホンダはその中で44.5%のシェアを占めているが、251cc以上に限るとシェアは26.9%。トップメーカーとしてとても満足できる状況ではなく、新販売網でなんとか巻き返しを図ろうというわけだ。

ホンダの二輪は現在、5つの販売チャンネルがあるが、それを4月から「ホンダドリーム」と「ホンダコミューター」の2チャンネル体制へと一新。ドリーム店は251cc以上を、ミューター店は250cc以下のモデルを中心に取り扱う。また、看板も差別化し、ドリーム店は黒に、コミューター店は赤にして一目で分かるようにする。そして、ドリーム店を現在の38都道府県145店から2020年には全都道府県200店にまで拡大する計画だ。

果たしてホンダの新しい挑戦が成功するのか。そのカギはドリーム店がどれだけ魅力的な情報発信をできるかにかかっているといってもいいだろう。バイクを持たない人に多く店に来てもらい、バイクある生活に興味を持ってもらえれば、それだけホンダのバイクの販売台数が伸びるに違いない。

ホンダドリーム川崎宮前店の1階店内《撮影 山田清志》 ホンダドリーム川崎宮前店の2階にある中古車コーナー《撮影 山田清志》 ホンダドリーム川崎宮前店の2階にあるバイク用品コーナー《撮影 山田清志》 ホンダドリーム川崎宮前店の2階にある歓談スペース《撮影 山田清志》 ホンダドリーム川崎宮前店の3階にある整備コーナー《撮影 山田清志》 ホンダモーターサイクルジャパンの加藤千明社長《撮影 山田清志》