中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》

中央自動車道を利用際に私が十中八九立ち寄るのが、上り線の初狩PA(パーキングエリア。山梨県大月市)である。

ここはSA(サービスエリア)ではなくPAながら、「山梨」を存分に味わうことができ、お土産も一般的なお土産売り場よりもさらに少しディープな「山梨」が手に入るからである。

中央道上りで甲府盆地に別れを告げて、笹子トンネルを抜けた先にあるのが初狩PAだ。近所では、談合坂SAがリニューアルされて、立ち寄る人も多いが、この初狩PAもぜひ立ち寄ってみていただきたいスポットだ。

端的に言うと「信玄餅だけではない山梨」の品ぞろえも充実の売店に、「山梨の旨い飯」が食べられるからである。お国の言葉でいえば「よってけし!(寄ってって!)」と地元の人がすすめてくれているかのよう。信玄餅も、最近充実の派生商品も含めて手に入るのでご安心を。

売店には山梨の伝統工芸品「甲州印伝」の品々もあれば、地元大月で作られる「富士納豆」も買え、地元密着なラインナップが所狭しと並ぶのだ。「よっちゃんイカ」でおなじみよっちゃん食品工業も山梨の企業。現在は「カットよっちゃん」シリーズとして展開している。

そして幻の米とも言われる「武川米農林48号」。南アルプス山麗の酒造り、洋酒づくりにも大活躍する国内屈指の名水で育ったお米で、流通量が少ない。高速道路で購入できるところはこの初狩PAのみなのだ。

甘味が豊かで、もっちりとした食感はまさにコメの味を楽しむことのできる「米が主役になれる米」なのだ。試食したいという方は、初狩PAのスナックコーナー「峠の茶屋」で「手むすび」は如何だろうか。

スナックコーナーの充実も、初狩PAの人気の理由の一つだろう。麺類から定食まで充実のバリエーションだ。

野趣あふれるコシの強い「吉田うどん」や、山菜やキノコの天ぷらを使ったメニューなどもあるのだが、注文を受けてから、「武川米農林48号」で一つ一つ握られるおにぎりが人気だ。具の種類も豊富で、一般的な「しゃけ」「ツナマヨ」「梅」などはもちろん、「桜肉」「おばあちゃんの手作り味噌」など、この地域ならではのものもメニューに揃う。

手軽なのは吉田うどんとおにぎりのセットだが、組み合わせられるおにぎりの味が限られる。セットにお好みの味があればいいが、せっかくなので、単品の吉田うどんと、この地でしか食べることができないおにぎりを合わせて注文したい。筆者は桜肉ののった「肉うどん」に、甲州産の梅を使った梅と、おばあちゃんの手作り味噌のおにぎりの2個を追加した。

中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》 中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》 中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》 中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》 吉田うどんとおにぎりのセットもメニューである。組み合わせは限定されるので要注意。《撮影 中込健太郎》 種類が豊富。大きいものもあるが、本島ぬ大きいので注意が必要だ。《撮影 中込健太郎》 吉田うどん(肉うどん)とおにぎり。《撮影 中込健太郎》 讃岐うどんとは別種の魅力がある。肉は桜肉のしぐれ煮。《撮影 中込健太郎》 辛いのが好きな方はこちらを。売店でも売られているが、かなり辛いのでご注意を。《撮影 中込健太郎》 中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》 中央自動車道初狩PA。《撮影 中込健太郎》 山梨の風土や暮らしも垣間見ることができるようなラインナップ。《撮影 中込健太郎》 長年全国的ブランドのだし醤油がなかなか参入できなかったほどポピュラーな「山梨の味」だ。《撮影 中込健太郎》 武川米農林48号、一度食べてみる価値ありのうまい米です。《撮影 中込健太郎》