牧野任祐は2017年シーズン終了後のFIA-F2テストに「ロシアン・タイム」チームから参加、今季の同チーム加入が決まった(写真はテスト時)。《写真提供 FIA-F2》

9日、ホンダは自社の若手ドライバー育成プログラムの選手である牧野任祐(まきのただすけ)が、今季はF1への登竜門カテゴリーとして知られる「FIA-F2選手権」にステップアップすると発表した。

1997年6月28日生まれ、大阪出身の牧野は現在20歳。ホンダの若手ドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト=HFDP」の一員で、将来を嘱望される若手のひとりである。2015年に日本のFIA-F4でシリーズ2位の成績をおさめ、2016年は全日本F3に進級。同年終盤にはSUPER GTのGT500クラスにも抜擢されて参戦、活躍するなど、当時から期待の大きさと非凡さを窺わせていた。

2017年はFIA-F3欧州選手権に挑戦。そして11月末〜12月初旬に行なわれたFIA-F2(旧GP2)のテストにも参加していた牧野は、このほど、当時の出走チームでもある「ロシアン・タイム」からの2018年FIA-F2参戦が決まり、ホンダから発表された。

牧野任祐のコメント
「カートを始めた5歳のときから、ずっと世界の頂点で戦うことを目標にしてきたので、夢の舞台にまた一歩近づけたことを、とてもうれしく思っています。昨年のチャンピオンチーム(チーム部門王座獲得チーム)、ロシアン・タイムとの新たなチャレンジが今から楽しみです。これまで支えてくれたファンや関係者の皆さんのご期待に応えるレースができるよう、精一杯頑張ります」

世界の頂点、それはもちろんF1のことだと思うが、昨今、HFDPでは牧野を含めた3人の若手が将来のホンダF1ドライバーに近い存在と目されている。

牧野以外の2人は松下信治(まつしたのぶはる)と福住仁嶺(ふくずみにれい)。松下は今季、FIA-F2から日本のスーパーフォーミュラ(SF)に主戦場を移してF1昇格を狙う。また、昨季はFIA-F2の直下に位置するGP3でシリーズ3位となった福住は、SFとFIA-F2の両方に参戦することが決まっている。福住の今季FIA-F2での所属チームは「アーデン・インターナショナル」。2018年のFIA-F2には、福住と牧野、2人のホンダ系若手が挑むこととなった。

今季、3人はいずれもF1に近いカテゴリーで戦う。近未来のホンダF1ドライバーの座を目指す切磋琢磨は一層、白熱の度を増す。

2016年SUPER GT参戦時の牧野任祐。《写真提供 Honda》 ロシアン・タイムから昨季終了後のFIA-F2テストに参加した時の牧野。《写真提供 FIA-F2》 ロシアン・タイムから昨季終了後のFIA-F2テストに参加した時の牧野。《写真提供 FIA-F2》 ロシアン・タイムから昨季終了後のFIA-F2テストに参加した時の牧野。《写真提供 FIA-F2》 2016年SUPER GT参戦時の牧野任祐。《写真提供 Honda》