いすゞ自動車 決算説明会《撮影 小松哲也》

いすゞ自動車が2月7日に発表した2017年度第3四半期(4〜12月期)連結決算はタイのピックアップ事業の復調に加え、産業用エンジンの出荷が大幅に増えたことなどにより売上高は過去最高を更新するとともに、営業利益が2期ぶりの増益に転じた。

いすゞの第3四半期連結売上高は前年同期比8.3%増の1兆4996億円で、それまで最高だった15年度実績を833億円上回った。一方、連結営業利益は同12.2%増の1230億円となった。

国内の車両販売は前年同期比7.5%減の5万3499台と振るわなかった。いすゞの瀬戸貢一常務執行役員は同日都内で開いた決算説明会で「国内の普通トラックは建設系が減少している。これは前期に排ガス規制強化前の駆け込みで一時的に盛り上がった影響。いすゞは建設系に強みを持っているのでとくに影響を受けた。小型トラックの全需は堅調だが、ポスト新長期への切り替え対応で一部の車型に遅れがあり、その影響でボリュームを落としている。これも一時的な要因」との認識を示した。

一方、タイのピックアップトラック事業は同6.7%増の23万7169台とプラスに転じた。また産業用エンジンは同51.9%増の8万2000基と大きく伸ばした。瀬戸常務は「ピックアップトラックはタイの内需およびタイからの輸出も比較的好調。産業用エンジンは引き続き中国の建機需要が非常に好調ということで、対前年で伸びている」と説明した。

その上で「国内の車両販売は減少したものの、ピックアップ、産業用エンジンの増加、儲けがでるアフターサービスも伸びて、全体としてはほぼ計画オンラインという形できている」と総括した。

通期予想に関しては「一部費用が第4四半期にずれ込む見通しや為替が足元変わってきているので、修正なしという形」と述べ、据え置いた。

いすゞの2017年度の売上高予想は前年度比5.5%増の2兆600億円と、通期でも過去最高を更新する見込み。また連結営業利益は同12.0%増の1640億円と2期ぶりの増益を予想している。

いすゞ自動車 瀬戸貢一 常務執行役員《撮影 小松哲也》 いすゞ自動車 決算説明会《撮影 小松哲也》