マツダ決算説明会《撮影 小松哲也》

マツダの2017年度の世界販売で、中国が米国を抜いて販売第1位の市場になる見通しとなった。マツダが2月7日に公表した2017年度の業績見通しで明らかになった。

マツダの2017年度第3四半期(4〜12月期)までの中国での販売台数は、マツダ『3』や中国専用車『CX-4』の販売が好調だったことや、9月に投入した新型『CX-5』の効果も加わり、前年同期比8%増の24万5000台と同四半期累計としては過去最高を更新した。

一方、米国での同四半期まで販売は市場全体がSUVにシフトしていることでセダン系車種が苦戦していることや販売競争も激化している影響もあり、同5%減の22万台にとどまった。

こうした販売状況を受けてマツダは2017年度販売計画を修正した。中国での販売台数は従来の29万2000台から30万8000台に上積みする一方で、米国は31万2000台から30万2000台に下方修正した。

マツダの営業領域総括を務める青山裕大常務執行役員は同日都内で開いた決算説明会で「中国販売は米国を抜いて、今期は最大の販売台数になる。基本的には来期も今期並みの台数を期待していきたいと思っている」と述べた。

さらに「今期は1.5リットルの小型車マツダ3の減税措置の延長もあって需要が支えられたが、マツダはこのほかにもCX-5やマツダ『6』、CX-4といった1.5リットル以上の車種も好調で、減税措置の終了後もこれらに車種を中心にして成長が期待できると考えている」とも話した。

一方、米国については「やはり上半期(4〜9月期)以降、さらに乗用車系を中心にして需要の状況が非常に厳しくなっているということで、乗用車を中心に台数の減少で今期見通しを1万台の下方修正をしたが、その一方ではフリートを除いた小売では対前年比でフラットの台数を維持できているので、合格点ではないかと思っている」と評価。

また「クロスオーバー系のCX-5や『CX-9』がそれぞれのセグメント以上の伸びを達成できたことは、これから先の成長に向けて可能性がある」とした上で、「クロスオーバー系のモデルを中心にして、来期は米国についても反転させたい」と期待を示した。

マツダは第3四半期までの販売実績や為替動向を踏まえて2017年度の連結売上予想を従来の3兆3500億円から3兆5000億円に上方修正した。一方、営業利益は米国での販売減少やインセンティブの増加を受けて従来予想の1500億円を据え置いた。

マツダ決算説明会《撮影 小松哲也》 マツダ決算説明会《撮影 小松哲也》 マツダ決算説明会《撮影 小松哲也》 マツダ 青山裕大 常務執行役員《撮影 小松哲也》