企業倒産年次推移

東京商工リサーチは1月16日、2017年12月および2017年(1〜12月)の全国企業倒産状況を発表した。

●倒産件数は過去20年で2番めの低水準 12月

12月の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が前年同月比1.9%減の696件。2か月連続で前年同月を下回り、12月としては過去20年間では2014年の686件に次ぐ低水準にとどまった。産業別件数では10産業のうち5産業で前年同月より増加。このうち、サービス業他が216件(前年同月比9.6%増)で10か月連続の増加。小売業108件(同11.3%増)で7か月ぶり、卸売業が109件(同4.8%増)で2か月ぶりに前年同月を上回った。一方、製造業が80件(同19.1%減)で7か月連続の減少、建設業は117件(同18.7%減)で4か月ぶりに前年同月を下回った。

負債総額は、大型倒産(ジャパンライフ・2405億円)が発生したため、同131.6%増の3975億9500万円と大幅に増加した。

●倒産件数は9年連続マイナス 2017年

2017年の全国企業倒産件数は前年比0.4%減の8405件で9年連続のマイナス、負債総額は同57.8%増の3兆1676億3700万円で2年ぶりのプラスだった。

倒産件数は、1990年(6468件)以来の低水準だった。金融機関が中小企業のリスケ要請に積極的に対応しているほか、上向きな景況や財務内容に改善の兆しがみえる企業への貸出増も影響しているとみられる。しかし、月次ベースでは3月以降、前年同月比増加と減少を交互に繰り返し、10月には6年3か月ぶりに2か月連続で増加した。

負債総額は2012年(3兆8345億6300万円)以来、5年ぶりの3兆円超え。製造業では戦後最大の倒産になったタカタ(負債1兆5024億円)の民事再生法申請が影響した。ただし、全体では負債1億円未満が6263件(構成比74.5%)を占め、小規模倒産が大半を占めた。