KYBのショックアブソーバーは、世界中で多くメーカーにOEM提供されているグローバルブランドだ。
モータースポーツ分野でのコアなファンも多く、オートサロンのブースでは『プリウス』GT300マシンの展示のほか、全日本ラリーのR規定車両であるシトロエン(『DS3』)のワンオフトリプルピストンのショックアブーソーバー展示、JAOSクロカンラリー用のショックアブーソーバーなど(しかも泥がちょっとついたままの実車のパーツ)、マニアのツボを押さえた展示が目を引く。
ちなみにトリプルピストンとは、通常の複筒式ショックアブーソーバーを倒立させたものをロッドとして、その外側に単筒式ショックアブーソーバーを構成したと思えばよい。見た目も乗用車のショックアブーソーバーにはみえないが、全日本ラリーでは2年間、ノートラブルだったという(その間に車両のクラッシュが起きているというのにだ)。
そんなハードコアなKYBのショックアブソーバーだが、なにもハードな競技用だけではない、と参考出品していたのが「NEW SR Reborn」。これは、高い走行安定性を保ちながら、静粛性やハイエンドな走りを両立させるというコンセプトで生まれた「NEW SR Special」の進化版だ。
チューニングのポイントは、ベース車とのベストマッチングを考えて、純正形状ストラットに純正スプリングを前提とした設計であること。ジオメトリをいじらず、アーム類やアッパーマウント、ブッシュ類を変えずに、エンジンチューンなどしないファミリーカーでもワンランク上の安定感、レスポンスが得られるショックアブーソーバーだという。
「NEW SR Reborn」では、この特性をスポーツカーとファミリーカーに分化させ、より車種ごとのマッチング、走行安定性、乗り心地を追求している。高速のレーンチェンジのヨー変化、ブレーキングのノーズダイブがシャキっとし、さらに加速フィーリングも改善されるはずだという。
一般に、ショックアブーソーバー交換というと、車高調整やドレスアップというイメージが強いが、ブース担当者は「ハンドリング性能を改善するためにタイヤ交換をするのと同じで、ショックアブーソーバーもチューニングすると走りが見違える」と話していた。
KYBの“走りを楽しくする”足回り、NEW SR Rebornから競技用ショックアブソーバーまで…東京オートサロン2018
2018年01月13日(土) 08時30分
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