記者会見の模様

トヨタ自動車とマツダは1月11日、昨夏発表した米国における合弁新工場を、アラバマ州ハンツビル市に建設すると発表した。

新工場は、トヨタのアラバマ工場から約20km離れたハンツビル市の敷地に建設する。生産能力は年間30万台を予定し、マツダ・トヨタ向けの各生産ラインで、マツダが北米市場に新導入するクロスオーバーモデルとトヨタ『カローラ』を15万台ずつ生産。2021年の稼働開始に向けて、両社折半出資で約16億米ドル(約1790億円)を投資する計画だ。

アラバマ州には、ハンツビル市にあるトヨタのエンジン工場をはじめ、数多くの自動車関連工場があり、米国全州で5番目の自動車生産量を誇る。同州では、自動車メーカーに加えて、150を超える1次および2次仕入先を含め、約5万7000人の自動車関連雇用が生み出されているが、今回の新工場建設によって、新たに約4000人の雇用が生まれる予定だ。

トヨタにとっては、合弁新工場は米国における11か所目の生産拠点となり、昨年に発表した「2017年以降の5年間における100億米ドルの投資」に加えて、米国への継続的なコミットメントを象徴する投資になる。

トヨタの豊田章男社長は「アラバマ州にマツダとの車両生産工場を新設する今回の投資決定は、トヨタが15年以上にわたり同州でエンジン生産を行ってきた経験に裏打ちされたものだ。トヨタとマツダの知見を持ち寄り、アラバマ州の優れた人々とともに、2021年より、高い競争力を誇る工場を運営できると確信している」と語った。

一方マツダは、創立101年目、米国販売51年目となる節目の2021年に、同工場を立ち上げ、米国に根付いて生産・販売を本格化させる。

マツダの小飼雅道社長は「私たちは、『人を元気にし』、『人にやさしい社会』と『美しい地球』に貢献するといった明確なビジョンを持ってクルマ造りをしている。こうした意味を持ったクルマをこの地で末長く生産し続けることで、従業員から愛され、地域の皆さんからも愛される工場になりたいと思っている」とコメントした。