トヨタとマツダの米新工場、立地決定。

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2018年1月11日付

●自動ブレーキ「お墨付き」国が性能評価(読売・2面)

●家電AIが止まらない、米見本市が開幕、ホンダ感情読み取るロボ、ソニーアイボ披露(読売・8面)

●アラバマ新工場400人雇用、トヨタ・マツダ、21年稼働(読売・8面)

●車大手、新興企業連携に力、日産三菱・ルノー連合、10億ドル投資計画(朝日・9面)

●旭硝子子会社、検査せず出荷、実験用容器、15年以降1500機関に(毎日・1面)

●ヤマトHD、値上げで黒字、営業益10〜12月400億円(日経・1面)

●欧州にEV電池工場、GSユアサ、日本企業で初(日経・17面)

●五輪期間道路交通量「15%減」首都高入り口一部閉鎖も(日経・33面)


ひとくちコメント

トヨタ自動車とマツダが米国で候補地の選定を進めていた合弁新工場を、アラバマ州ハンツビル市に建設することを決定した。現地で、トヨタの豊田章男社長とマツダの小飼雅道社長が、アラバマ州のケイ・アイヴィー知事とハンツビル市のトミー・バトル市長とともに、記者会見を行い、新工場の建設を発表したという。

1月10日の一部夕刊で報じられたほか、きょうの各紙も、現地での深夜の会見時間には間に合わなかったものの「アラバマ新工場400人雇用、トヨタ・マツダ、21年稼働」(読売)などと、事前に入手した情報で概要を取り上げている。

また、深夜にはトヨタとマツダが同時にニュースリリースを発表。それによると、新工場の生産能力は年間30万台を計画、マツダとトヨタ向けの各生産ラインで、マツダが北米市場に新導入するクロスオーバーモデルとトヨタの『カローラ』を15万台ずつ生産する予定。

新工場は、トヨタのアラバマ工場から約20km離れた場所で、ハンツビル市に建設。2021年の稼働開始に向けて、両社折半出資で約16億ドル(1800億円)を投資し、新工場の雇用人数は約4000人を計画しているという。

また、会見では、豊田社長は「アラバマ州にマツダとの車両生産工場を新設する今回の投資決定は、トヨタが15年以上にわたり同州でエンジン生産を行ってきた経験に裏打ちされたもの。今後、両社の新たな『ふるさと』であるハンツビル市やアラバマ州において、『町いちばんの会社』となることを目指していく」と語ったという。

一方、小飼社長も「私たちは、『人を元気にし』、『人にやさしい社会』と『美しい地球』に貢献するといった明確なビジョンを持ってクルマ造りをしている。この地で末長く生産し続けることで、従業員から愛され、地域の皆さまからも愛される工場になりたい」と述べたそうだ。

2021年の稼働といえば、まだ3年先のことだが、思えば1年前の新年早々には、就任前のトランプ大統領がトヨタなどのメキシコでの新工場の建設を批判。豊田社長も慌てて米国での巨額の投資計画などを発表していたが、その時点ではマツダとの合弁工場の計画は明らかにされていなかった。

ソニー・アイボ(CES 2018) (c) Getty Images