大遠会館まぐろレストラン「まぐろ豪快丼」《撮影 中込健太郎》

鈴鹿サーキットの往復で国道23号、四日市市周辺を走っているとかなりの確率で渋滞に遭う。何とかならないものか、といつも思いつつ、そんなさなかに発見したのが「夜8時まで営業/大遠会館まぐろレストラン」の垂れ幕だ。

国道23号沿いの防潮堤の海側に、宿舎のような建物が建つエリアがある。その中に大遠会館(三重県四日市)はある。往来のたびに気になっていたのだが、この周辺で仕事をしている仲間の話では「絶対行くべき!」とのこと。先日京都方面に向かう際、夕食時に通過することがあり、立ち寄ってみることにした。

もともと四日市には1960年代から1970年代、遠洋漁業の基地があり、大遠会館まぐろレストランは帰ってきた船員さんの胃袋を満たすための食堂だったようだ。漁業ではなく工業の町になった今でも、23号を行くトラックドライバーやドライブの家族連れから人気で、昭和の社員食堂のような雰囲気とともに、今も多くの人々から愛されている。

時が止まったような建物。入り口のがっしりとした扉を押して開けるとそこにはサンプルが展開、メニューの多さに迷ってしまう。自動券売機ではなく人がいる食券売り場があり、そこで食券を購入し厨房に渡すスタイルが今も踏襲される。

私が訪れたのは金曜日。なんでも平日限定という「まぐろ豪快丼」をいただくことにした。食券の番号が呼ばれたのでカウンターに取りに行くと、まぐろが丼からはみ出していた。びっしりと敷き詰められキラキラ輝くまぐろと、多めに盛られたワサビは、しばらく眺めてしまうほど。ワサビを醤油皿で溶いてワサビ醤油を丼に回しかける。まぐろがあふれるほどに載っているので、ワサビ醤油が丼の外にこぼれてしまった。

食べ進めると脂ののったまぐろの甘味は口の中に広がる。ご飯は白飯と酢飯が選べ、私は酢飯でいただいた。丼についてくる味噌汁にはわかめと魚のつみれが入っている。煮て味つけしたまぐろフレークの小鉢が添えられる。甘さの中にショウガだろうか、さわやかな味わいで、これはこれでご飯が進む。

これらで1000円なのだから人気なのもうなずける。鈴鹿サーキットに観戦に行き、その時に立ち寄るのをお勧めしたい。レースはたいてい週末開催なので、その前か後でもう一日お休みを取って、これを食べに来てもいいのではないか。

「まぐろ豪快丼」以外のメニューもかなり迷う。豪華なメニューもさることながら、まぐろのから揚げの入ったラーメンなど、気軽なメニューも看過できない。休日に立ち寄っても後悔しないだろう。

ちなみに大遠会館の向かいに「弁イ水産ひもの食堂」なるお店もあり、日も暮れたのに大遠食堂に負けず劣らず混雑していた。おなかは一つしかないことが新年早々うらめしかった。

前から気になっていた看板《撮影 中込健太郎》 古風な建物が印象的だ。《撮影 中込健太郎》 大遠会館まぐろレストラン《撮影 中込健太郎》 メニューで迷うのはここを訪れた人、誰もが経験することのようだ。《撮影 中込健太郎》 大遠会館まぐろレストラン《撮影 中込健太郎》 まぐろ豪快丼1000円!!《撮影 中込健太郎》 かまの煮つけ定食は売り切れていた。《撮影 中込健太郎》 そのほかのメニューも見過ごせない。《撮影 中込健太郎》 大遠定食《撮影 中込健太郎》 大遠会館まぐろレストランの食券売り場は今も手売り。《撮影 中込健太郎》 のんびりとして雰囲気がなぜか懐かしい。《撮影 中込健太郎》 大遠会館まぐろレストラン「まぐろ豪快丼」《撮影 中込健太郎》 大遠会館まぐろレストラン「まぐろ豪快丼」《撮影 中込健太郎》 大遠会館まぐろレストラン「まぐろ豪快丼」《撮影 中込健太郎》 ちなみに、向かいにあるこちらも、実に気になるお店だ。こうして旅をすると「次回はここに」という宿題ばかりが増えていくものである。《撮影 中込健太郎》 弁イ水産ひもの食堂《撮影 中込健太郎》