Mスポーツの『フィエスタWRC』(写真は2017年シーズン)。《写真提供 Red Bull》

22日にFIAが公表した2018年世界ラリー選手権(WRC)の参戦マニュファクチャラーリストにおいて、王者セバスチャン・オジェらを擁するMスポーツ陣営が、来季は「M-SPORT FORD WORLD RALLY TEAM」として参戦することが分かった。

マルコム・ウィルソン氏が率いるMスポーツ(本拠は英国)は、長年、フォード車でのWRC最前線への参戦を続けているが、2012年を最後にフォードの“ワークス”としての立場からは外れていた。モータースポーツにおけるワークスという言葉には多様な解釈が存在するため、一概には言えない面も常につきまとうが、来季2018年、Mスポーツ陣営は6年ぶりにフォードのワークスとしてWRCを戦うことになる。

2017年の同陣営は「M-SPORT WORLD RALLY TEAM」として『フィエスタWRC』でWRCに参戦。新加入のセバスチャン・オジェがドライバーズチャンピオンに輝き、陣営はマニュファクチャラー部門タイトルも獲得している。オジェは16年までフォルクスワーゲン(VW)のワークスチームで走り王座4連覇を重ねていたが、VWの撤退に伴いMスポーツに移籍、そして5連覇を達成した。来季18年もMスポーツに残ることが決まっている。

オジェの来季残留を巡っては「フォードの支援増大が条件では」等の噂も出回っていたが、いずれにしても、オジェ側とフォード側の双方にとっていいかたちの“結論”になったことは間違いない。オジェの個人6連覇、Mスポーツとしての2連覇に向けての体制が、より高次元で整ったともいえるだろう。

なお、トヨタ、ヒュンダイ、シトロエンは17年同様に来季も参戦マニュファクチャラー(ワークス)としてリストに名を連ねており、Mスポーツを含めた4大陣営が王座を競う構図に変化はないが、これで18年は「4大ワークスによる戦い」という表現も可能な状況に。より激しく、面白いシーズン展開が期待されるところだ。

18年のWRCは1月末(最終日は28日)のラリーモンテカルロで開幕する。

Mスポーツの『フィエスタWRC』(写真は2017年シーズン)。《写真提供 Red Bull》 5年連続の王座獲得を果たしたオジェ。《写真提供 Red Bull》 Mスポーツを率いるマルコム・ウィルソン氏(左)。右端はオジェ、中央はオジェのコ・ドライバーであるJ.イングラシア。《写真提供 Red Bull》 2017年11月、Mスポーツ本拠でのプレスカンファレンスにて(左からオジェ、イングラシア、M.ウィルソン)。《写真提供 Red Bull》 来季もWRCは4大トップ陣営の戦いになる(写真は2017年シーズン)。《写真提供 Red Bull》