反対車線への飛び出しを防止するワイヤロープについて事故防止効果・維持管理性等を検証の上、設置

国土交通省は、高速道路の安全性、信頼性や使いやすさを向上する取り組みについての基本方針を策定した。

それによると暫定2車線区間の対策では速度低下区間での4車線化、付加車線の設置、最新データにより効果的な付加車線の設置や3車線運用などを工夫する。当面整備する暫定2車線区間はワイヤロープを基本的に設置する。

逆走対策では、2020年までに逆走事故ゼロを目標とした取り組みを加速する。運転支援に資する新技術の早期実用化、路車連携による車両の自動制御など自動運転技術の活用を検討する。

歩行者・自転車の進入対策では誤進入者の行動特性を踏まえた対策を実施する。自動運転の実現に向けた取り組みでは、新東名でのトラック隊列走行を可能とする6車線で運用する。交通安全施設の整備では、新技術も活用した交通安全施設の整備、落下物の早期発見・回収のための道路緊急ダイヤル(#9910)の普及促進を図る。

防災・減災対策では一般道路と連携したネットワークとしての防災対策を実施する。平常時・災害時を問わない安定輸送確保のための路線指定と機能を強化する。橋梁の耐震対策やSA・PAの防災機能強化の推進や、道路区域外からの災害対策を強化する。

工事規制の影響を最小化するため、複数工事の集約化や工事時の車線運用の工夫や暫定2車線区間の代替となる車線・経路整備や拡幅などを計画的に推進する。雪氷対策では準天頂衛星を活用した除雪車両の運転支援を行う。

休憩施設の使いやすさの改善としてはユニバーサルデザイン化によるSA・PAの質の向上や道の駅、ガソリンスタンドへの一時退出を全国展開する。高速バスの利便性向上策では、高速バス停の配置見直しなど機能向上、インターチェンジ周辺での乗継ぎ拠点を整備する。

高速トラック輸送の効率化支援では、SA・PAへのトレーラー分離・連結スペースの整備や路外施設を活用する。訪日外国人対策では2020年までに高速道路のナンバリングを完了する。スマートICなどにより地域とのアクセス強化では、スマートICや民間施設と直結するICなど柔軟に設置する。

今後、高速道路の維持管理・更新に係る負担のあり方や利用者重視の料金体系の推進、交通流を最適化する料金・課金施策の導入、完全ETC化とETC2.0の普及促進・活用・オープン化を検討する。

自家用の自動運転やトラック隊列走行の実現に向けた取組を推進