東京湾アクアライン

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年12月18日付

●安全運転なら保険料を割引、加速やブレーキデータ診断(読売・11面)

●アクアライン潤う木更津、開通20周年、人口増、小学校新設も(読売・34面)

●リニア大手4社事前協議か、関係者証言、駅・トンネル受注(朝日・1面)

●地下鉄開業90年記念イベント、再現、開業当時の乗客気分、旧万世橋・旧神宮前(朝日・25面)

●最前線インタビュー、ブリヂストンタイヤジャパン・上田達也常務執行役員、安全のため関心持って(毎日・9面)

●働き方改革、経団連、副業容認へ転換、年初にも方針、各社に検討促す(産経・3面)

●「働きやすさ」収益に直結、格付け上位40社、4割が最高益、本社調査(日経・1面)


ひとくちコメント

千葉県の木更津市と神奈川県の川崎市を全長15.1kmの海底トンネルで結ぶ「東京湾アクアライン」が開通20周年を迎えたという。

その記念セレモニーが海ほたるパーキングエリアで開かれ、式典に出席した森田健作知事は「木更津を中心に大きな経済効果があった。千葉県のみならず、首都圏にとって大変に大きなレガシー(遺産)に磨きをかけ、利便性の向上を目指して、次世代にしっかりと渡したい」と述べたという。

きょうの読売なども「アクアライン潤う木更津」などと取り上げているが、思えば20年前の開通当初の通行料金は普通車で4000円とばか高く、マイカー族はほとんど利用せず、企業の接待などで千葉のゴルフコースに行く以外はほとんど使われていなかった。

ところが、千葉県知事に当選した森田氏は東京湾アクアラインの不人気の実態を踏まえて、2009年にETC(自動料金収受システム)を搭載した普通車の通行料金を800円に値下げされたことから通行量も急増。1日当たりの平均交通量は開通当初、わずか1万台だったのが、値下げ後は4万5000台を超え、皮肉にも、休日などは頻発する渋滞の解消が大きな課題になっているようだ。

もっとも、値下げによる千葉県内の経済効果も大きく、木更津市の人口はこの20年で1万2000人近く増え、13万4000人を超えたほどで、都内や神奈川県からの転入組も多く、児童数も急増、市内では33年ぶりとなる公立小学校が新設されたとの報道もある。

ただ、値下げした「800円」という通行料金は「当分の間」とされており、恒久化ではないという。再び値上げに踏み切れば、千葉県内の大型商業施設などは大きなダメージを受けて、アクアラインによる経済効果は一気に冷え込む可能性もある。

東京湾アクアライン海ほたる《撮影 大野雅人(Gazin Airlines)》