ダイハツ工業のブースの様子《撮影 山田清志》

住宅から都市開発までを網羅した「住宅・都市イノベーション総合展2017」に自動車メーカーから2社、ホンダとダイハツ工業が出展した。特に来場者に好評だったのがダイハツで、クルマを2台並べただけなのに、その周りには多くの来場者が集まっていた。

というのも、そのプレゼンテーションの仕方が面白かったからだ。時間になると、通販番組のプレゼンターが登場し、近くを通る人を言葉巧みに集め、新型『ハイゼットカーゴ』の説明を開始。まず最初に口から飛び出した言葉が「このクルマに乗ると、仕事に差をつけられます」だ。すると、近くにいた人がさらに集まりだし、そして、ハイゼットカーゴの特長をパネルを使ってわかりやすく説明し出す。

例えば、スマアシ(スマートアシスト)III、荷室の広さ、経済性などときおり来場者に話しかけるようにクイズを出しながら説明。思わず聞き入ってしまう来場者も少なくなかった。荷室の広さをアピールする時には、後部ドアをもったいぶりながら開け、「広いと思ったら拍手してください」と来場者に促し、つられて拍手する人もいた。

そして、1つの特長の説明が終わると、呪文のように「このクルマに乗ると、仕事に差を付けられます」と訴え、ハイゼットカーゴが他のクルマと違うことを来場者に植え付けていく。思わずそうなのかと思ってしまいそうになったほどだ。「うちの説明員ではあそこまで人を引きつけることはできない。さすがに通販番組の人は違う」とダイハツ関係者も舌を巻いていた。

一方、ホンダのほうは燃料電池自動車(FCV)『クラリティ フューエルセル』とパッケージ型水素製造・貯蔵・充填装置「SHS 70MPaコンセプト」、外部給電器「パワーエクスポーター9000」など、ダイハツよりも展示品は充実していたが、前週に開催された「エコプロダクツ2017」を同じ。ブースを訪れる来場者もまばらだった。

いくらいい商品を並べても、その見せ方やプレゼンテーションの仕方によって、来場者の集まり状況や関心には大きな差が出るようだ。

ホンダのブースの様子《撮影 山田清志》