スズキ『スペーシア』が12月14日、2世代目となるフルモデルチェンジを実施した。数々の新機能を搭載した新型だが、ドライブに欠かせないカーナビも内容を大きく変えている。そのポイントを取材した。
今回のモデルチェンジで採用したのは、『ハスラー』などにも採用しているのと同じ全方位モニター対応のパナソニック製だ。画面サイズは7インチと8インチを用意。全方位モニターは新車注文時のメーカーオプション扱いだが、カーナビは販売店オプションで注文する。
このナビゲーションはパナソニックが市販してるモデル(7型はCN-RA03WDに相当)をベースに、スズキ専用でマルチモニターの入力を新設したもので、基本的なナビ機能は市販品と違いがない。16GBメモリーによるSDナビとなっていて、VICSワイドやDVD/CD再生、オーディオチューン「音の匠」モードも装備。地図データを3年間で1回無料更新できるサービスも付く。
実はこれまでスズキはカーナビをオリジナルで開発して来た。スペーシアも初代でキャンバスマップル製ナビソフトを組み込んだクラリオン製を採用し、マイナーチェンジでハーマン製インフォテイメントシステム(ナビソフトはゼンリンデータコム製)を組み合わせた。ところが、初代はCDドライブがないことで、ハーマン製はナビソフトのデータ不足が目立ち評判はイマイチだった。
そこでスズキはOEM展開に積極的なパナソニック製を順次採用する方法に切り替えた。発表会会場にいた用品担当者にその辺の事情をぶつけると「これまでのハーマン製よりもカーナビの性能は大幅に高まった。市販ベースとはいえ、全方位モニターに対応するスズキの仕様に専用で開発してもらっている。決してオリジナル製品開発をやめたわけではない。現状で最良の商品を選んだ」という。
ただ、気になるのは価格。ハーマン製インフォテイメント システムには全方位モニターも組み合わせて11万円程度でメーカーオプションできた。しかし、今回のカーナビは7インチで14万4000円ほど(取り付け費込み)。これに全方位モニター用カメラパッケージ(7万7760円)を組み合わせると22万円を超える。この中には新機能のヘッドアップディスプレイが含まれるとはいえ、従来の約2倍の費用は軽自動車の購入者にとって負担は小さくない。
ただ、個人的にはスズキが展開するヘッドアップディスプレイは機能面でも安全面でも大きなメリットがあると考えている。スペーシアでは未体験だが、『ワゴンR』に搭載されたヘッドアップディスプレイはモノクロながら十分な情報を表示。大きな視線移動なしにこの情報を得られるメリットはかなり大きかった。新型スペーシアではそれがガラス投影式となってカラー化され、しかも進入禁止の標識も投影される。多くの人がこの機能を使ったら手放せなくなることは容易に想像できる。
単にカーナビだけを考えれば10万円以下で売られている市販品を組み合わせるのもいいだろう。しかし、マルチカメラを使った全方位モニターやヘッドアップディスプレイが組み合わせられるのは純正ならではのメリット。何を優先するかはユーザー次第だが、スペーシアではグレードを一ランク落としてもこのシステムの組み合わせをオススメしたい。
スズキ スペーシア 新型、全方位モニター対応ナビのメリットは?
2017年12月15日(金) 23時00分
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