日本自動車工業会・西川廣人会長《撮影 中島みなみ》

日本自動車工業会の西川廣人会長は15日の会見の冒頭、個社の不適切な完成検査について、改めて謝罪した。

「日産自動車における不適切な完成検査の問題でお客様、関係する皆様に多くのご迷惑をかけし、また不安不信をまねいてしまったこと、誠に申し訳なく思っている。深くおわび申し上げたい」

また「自工会としても法令順守の徹底に取り組みたい」と、会長としての立場を明らかにした。

西川氏は日産自動車社長として会長職に就く。日産は無資格者による完成検査実施など一連の不適切事案について、11月に国土交通省への最終報告を終えたばかりだ。同じ自工会メンバーであるスバルでも完成検査の不適切事案が発生しているが、その全容や再発防止策は、いまだに示されていない。国土交通省の2社に対する処分についても未定で、一部の判断は越年する可能性が高い。

さらに、国土交通省は相次ぐ不適切事案に、完成検査制度のあり方について、検査の徹底を図るための有識者検討会が始まったが、この検討メンバーには自工会は入っていない。

「制度の中身については、自工会にもヒアリングがあると聞いている。その中では問い合わせには前向きに我々の思うところ、実態を報告して検討材料にしていただくスタンスで考えている」と語った。

また、自工会として制度に対する意見を問われたが、次のように応えた。

「完成検査は決められたとおり、届け出た通り検査することが義務だと思っている。それは今回の教訓として守っていかなければならない。自動車としての進化は当然あるが、制度が時代遅れであるという議論ではない」