スズキは軽ハイトワゴン『スペーシア』を全面改良し12月14日発売した。スペーシアのチーフエンジニアを務める鈴木猛介氏は同日、都内で開いた発表会で「実際の寸法だけではなく、ひと目見ただけで室内の広さや大きさを感じられるデザインを採用した」と語った。
軽ハイトワゴン市場でスペーシアはこれまで、ホンダの『N-BOX』やダイハツ工業の『タント』といった強豪の後塵を拝していたのが現状。実際、鈴木チーフエンジニアも「販売店に聞き取りすると『引っかかるものがない』。お客様が(販売店に)来られて乗ったらまず買ってもらえが、そもそもお客様が来ないといわれた。それは大きさ感なのか、デザインなのか、そこのところがやはり足りてないのではないかというのが我々の中にあった」と明かす。
もちろんスズキも手をこまねいていたわけではない。「2017年12月に『スペーシア カスタムZ』というスペーシアの3番目の機種を、これだったらお客様に受けるのではないかと考えて出したところ、計画よりも上積みできた。間違いないなという確信を持った上で。大きさ感などの表現を確認しながらステップを踏んで、今回の全面改良を迎えた」と鈴木チーフエンジニアは語る。
具体的には「新型スペーシアは先代モデルに対してフロントガラスを立て、フードの高さを上げることで大きさを表現。ベルトラインを高くしてボディの厚みを強調。実際の寸法だけではなく、ひと目見ただけで室内の広さや大きさを感じられるデザインを採用した」と鈴木チーフエンジニアは解説する。
またデザインに関しては「どう個性を出すかということが今回の大きなテーマだった。ただ大きくなるとダサくなるので、おしゃれになるようなデザインにしてほしいと要望した」という。その結果、スーツケースをモチーフにした内外装に一新した。
新型スペーシアの価格は133万3800〜190万8360円で、全車マイルドハイブリッド搭載であることを勘案すると競合車に対して競争力のある水準といえる。
鈴木チーフエンジニア自身も「やはり軽自動車は価格訴求が一番大事なところなので、そこは最初から上げられないということで開発した」と語る。
もちろんマイルドハイブリッド搭載でコストアップが避けられないが、「高くなった分は他でやるということで、いろいろなところで積み重ねた。またプラットフォームが新しくなったことによるコストダウンもあるので、それも合わせてコストをしっかりと押さえた」とのことだ。
「ひと目で大きさを感じられるデザイン採用」スズキ スペーシア 新型のチーフエンジニア
2017年12月14日(木) 13時29分
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