意識障害を伴う持病がありながら、これを隠して運転免許を更新するとともに、今年7月に栃木県足利市内で他車との衝突事故を起こした33歳の女について、栃木県警は11日までに危険運転致傷や道路交通法違反容疑で書類送検した。

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栃木県警・足利署によると、同市内に在住する33歳の女は2017年7月27日の夕方、同市内で乗用車を運転していた際に対向車と衝突する事故を起こし。相手方の運転者に軽傷を負わせた疑いがもたれている。

事故直後、女は意識が朦朧とした状態だったが、後の調べで意識障害を伴う持病があったことが判明。昨年の運転免許更新時には意識障害などの症状を確認する質問票に「症状なし」として虚偽記載を行い、運転免許証の交付を受けていたこともわかった。

警察では女に意識障害の症状があり、それを自身も認識していたにもかかわらず、運転免許更新のために虚偽の申告を行い、後に意識障害に伴う事故を実際に起こしたと判断。女を自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)や道路交通法違反(質問票への虚偽申告)容疑で書類送検した。

同様の事故について、生存している運転者に対しての書類送検は今回が栃木県内では初のケースとなるようだ。

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2011年4月に鹿沼市内の国道293号で発生し、登校中の児童6人が死亡した事故を発端として、免許更新時に意識障害の有無についての質問回答が道交法で義務付けられるようになったこともあり、栃木県警はこうした意識障害を伴う事故と、免許更新時の質問票虚偽記載について厳しい対応を取っている。

先月(11月)には鹿沼市内で発生した事故については意識障害による事故を起こし、免許更新時に虚偽記載していた男を容疑者死亡のまま書類送検しているが、今回は事故を起こした運転者が生存しており、意識障害に至る病状などの詳細は公表されていないものの、虚偽記載に至った事情の聴取も行えているようだ。