今年の一台を決める第38回「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2017-2018」が発表された。モータージャーナリストをはじめとする60名の選考委員による選考コメントが、公式サイトで公開されている。各委員の得点とともに引用し、紹介する。
音楽プロデューサーでモータージャーナリストの松任谷正隆氏はレクサス『LC』に10点を投じた。以下は日本カー・オブ・ザ・イヤーHPに掲載されたコメントである。
☆☆☆
価格のことを考えるとこのクルマに10点を与えることに躊躇した。本来なら価格とのバランスを見ながら投票すべきものと思うが、内容を考えるとこの配点しかない、と思った。
まず、新しいプラットフォームは次期『LS』のぶんも含めて評価した。単なる剛性だけではないバランスの取れた設計は、今後登場してくるクルマたちに大きな期待をもたらすだろう。
注目すべきはハイブリッドモデルのミッションの考え方で、仮想10段に加えDMI制御というふたつの変速システムを持たせることで、ハイブリッドにありがちなのどかさをスポーティーな味に変えたこと。これにより、ドライビングプレジャーははるかに高まった。
デザインには好き嫌いもあるだろうが、ここまでアグレッシブに作り込んだことは海外進出を考えてもチャレンジングで素晴らしい。
さらにはインテリアの作り、カラーリングに至るまで、今までのレクサスの常識を2段階以上も引き上げたように思う。
最後に付け加えたいのは日本式のおもてなしの心がはっきりと滲み出ているところだ。
☆☆☆
全投票点数
レクサス『LC』:10点
マツダ『CX-5』:4点
ボルボ『XC60』:4点
VW『ティグアン』:4点
BMW『5シリーズ セダン/ツーリング』:3点
松任谷正隆|音楽プロデューサー/モータージャーナリスト/AJAJ会員
1951年東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒。クルマ好きが高じて、80年代の半ばから車の番組に携わるようになり、90年代の半ばから選考委員に加えていただいています。03年からはAJAJの会員でもあります。職業柄、広く、深く取材できないことから、どこか自分の能力を生かして……と考え、行き着いた先は「感性」という部分でした。実際には、音、振動、揺れ、反応速度など、自分なりの見解を積み上げてきました。個人的なCOTYの選考基準としては、まず「今現在、意義のあるクルマ」というのが第一。次に「完成度の高さ」でしょうか。ちなみに「楽しさ」は5番目くらいです。
日本式のおもてなしの心が滲み出ている LC…松任谷正隆【カーオブザイヤー2017-18】
2017年12月11日(月) 22時30分
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