東4ホールの位置口付近に並んでいる自動車メーカーのブース《撮影 山田清志》

東京ビッグサイトで開催された「エコプロダクツ2017」には、自動車メーカーからホンダ、SUBARU(スバル)、マツダ、三菱自動車の4社が出展した。それぞれ自慢のクルマを展示し、パネルを使って環境への取り組みを紹介していた。

東4ホールの入口近くにブースを構えたホンダは、燃料電池自動車(FCV)『クラリティ フューエルセル』とパッケージ型水素製造・貯蔵・充填装置「SHS 70MPaコンセプト」、外部給電器「パワーエクスポーター9000」、V2H対応DC普通充電器「パワーマネージャー」の4点を展示。

ブースの壁面では「水素を中心とした『つくる』『つかう』『つながる』というホンダの取り組みを小学生にも分かるように解説しました。30分に1回開いているプレゼンの時には多くの来場者が集まっています」とホンダ関係者は自慢げに話していた。

4社の中では一番品数が多かったが、これから発売する予定の「SHS 70MPaコンセプト」に関心を示す来場者は少なく、関心の的はやはりFCVだった。ホンダの関係者としては、もう少しSHSに関心を持ってもらいたかったという思いだろう。なにしろ高圧水電解型製造ステーションとしては世界初となる、製造圧力82MPa、充填圧力70MPaを誇るからだ。これまでのものはその半分で、すでに日本国内15カ所に設置されているという。

そのホンダの横にブースを構えたのがスバルで、4社の中では展示の仕方に一番工夫をしていた。ブース全体を北海道から持ってきた白樺の間伐材で囲い、花壇を設置。その中に『フォレスター』を展示した。「SUBARUの森をイメージしました」(同社関係者)そうだ。

スバルは今年4月から「SUBARUの森」活動を美深試験場(北海道美深町)敷地内で開始、植林・間伐などを行って自然保護などの森林整備を進めている。今回の展示では、パネルを使って、その活動を解説していた。そして、受付のテーブルの上には、無資格者による完成車検査についてのお詫びが書かれた紙が立てかけてあった。

マツダは『CX-5』とバイオエンジニアリングプラスチックでつくったフロントグリルを展示。そのフロントグリルは内製した部品で「これから利用拡大をしようと考えており、今量産段階に入っているところ」(マツダ関係者)とのことだ。

そして、三菱自動車は壁面を使って自社の環境についてのプロジェクトを説明していたが、『アウトランダーPHEV』をただ展示しただけという寂しいブースだった。当然、訪れる人は少なく、説明員も暇そうにしていた。

やはり一番来場者を集めたのはプレゼンを行ったホンダで、スバルが来場者の興味を一番引いていたという印象だった。しかし、他の業界の大手企業に比べると、訪れる人が少なく、もう少し工夫する必要がありそうだ。会場には小中学生が社会科見学の一環として多く訪れており、その場しのぎの展示では子どもたちの自動車業界への興味が薄れ、将来有望な人材も集まらなくなってしまうのではないだろうか。

ホンダのブース《撮影 山田清志》 SUBARUのブース《撮影 山田清志》 SUBARUのブース内部《撮影 山田清志》 マツダのブース《撮影 山田清志》 三菱自動車のブース《撮影 山田清志》