前方の混雑によって進路を塞がれ、踏切内で立ち往生したことを発端とした衝突というのは、踏切事故では割と多く発生している。

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27日午後5時15分ごろ、福井県敦賀市内にあるJR北陸本線の踏切で、踏切内に立ち往生していた軽乗用車と、通過中の特急列車が衝突する事故が起きた。クルマに乗っていた2人は衝突前に車外へ脱出して無事だった。

福井県警・敦賀署によると、現場は敦賀市余座付近(南今庄〜敦賀駅間)にある踏切。警報機と遮断機が設置されている。軽乗用車は前方混雑に阻まれて踏切内で立ち往生していたところ、通過中の上り特急列車(金沢発/大阪行き、9両編成)と衝突した。

衝突によってクルマは中破したが、運転していた若狭町内に在住する40歳代の女性と同乗していた70歳代の女性は衝突直前に車外へ脱出していてケガはなく、特急列車の乗客乗員約400人も無事だったという。

警察では過失往来危険容疑で運転者から事情を聞いているが、聴取に対しては「前方の状況をよく確認しないまま進入してしまった」などと供述しているようだ。警察では前方不注視が事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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「前の状況を確認してから踏切へ進入する」という、基本的な安全確認を怠らなければ防げる事故ともいえる。先を急いでいると「自分のクルマが入るだけ動くだろう」と考えてしまいがちだが、「こうあってほしい」という希望的観測は運転中にも禁物だということを忘れてはいけない。