スピーカー交換にトライ! BMW M3 に FOCAL製専用スピーカーキット を付けてみた《PHOTO 藤澤純一》

ドライブに音楽は欠かせないと考えている方は多いはずだ。クルマの中ならば、誰にはばかることなく好きな音楽を思いきり楽しめる。しかし…。なんとなくこもって聴こえたり、薄っぺらく感じたり…。こんな不満を抱いているドライバーも少なくない。

もしもそうであるならば、まずは「スピーカー交換」がおすすめだ。音の出口であるスピーカーを換えれば、聴こえてくる音の質が一変する。その実際を今回は、「BMW・M3」を例にリポートしていく。


■まずは「BMW・M3」の純正スピーカーの音をチェック。低音は悪くないのだが…。

「スピーカー交換」の効果がどれほど高いのかを知るために、まずは純正状態の音をチェックした。「BMW・M3」の純正スピーカーレイアウトは以下のとおりだ。ドアハンドルの前方あたりに小型のスピーカーが装着され、ダッシュボード中央にも上向きで小型のセンタースピーカーが装着されている。さらにはシート下にサブウーファーが付いている。サブウーファーで重低音を再生し、ドアとダッシュの小型スピーカーが中音から高音までを担当する、という仕様となっていた。

ちなみに国産車では、高音再生用スピーカーである“トゥイーター”が装着されるケースがかなり増えている。しかしながらテスト車の「BMW・M3」では未装着。「BMW」では、トゥイーターが取り付けられていない仕様がスタンダードだ。

その音を確認してみると、低音の量感はなかなか。サブウーファーが装着されている恩恵を十分に感じ取れる。だが、高音は少々もの足りない。今ひとつ、クリアさが 足りないように思えた。シンバルやトライアングルといった高音楽器の音が聴こえないわけではないので、再生レンジは確保されているようなのだが、シャキッとしたヌケの良さが足りない印象は拭えない…。

ここからスピーカーを交換することで、聴こえ方はどう変化するのだろうか。

今回は、フランス発の世界的な高級スピーカーブランドである「フォーカル」の“BMW専用”キット、『ES 100 K for BMW』(税抜価格:8万円)をテストした。同社の大人気定番スピーカー『K2パワーシリーズ』の『ES 100 K』(税抜価格:6万5000円)をベースに、取り付けに必要な専用バッフルボード、専用ケーブル、アコースティックシーラー(防振材)、FOCAL BAMデッドニングシート、専用ビス等までもが同梱されたお得なセットだ。「BMW」オーナーの間で話題を集めている、人気スピーカーキットである。


■ベールが一枚取り払われたかのように、サウンドがクリアに。

取材は、「フォーカル」製カーオーディオユニットを気軽に試聴・装着できる新コンセプトの専門店、「フォーカルプラグ&プレイ本店<木更津アウトレット前>」(千葉県木更津市)にて行った。なお同店では、当キットの取り付け工賃が明瞭化されている。スピーカー交換に要する時間は4時間、そしてその費用は3万2000円(税抜)。取り付けに必要な部材はすべてキットに含まれているので、予算は「製品代+取付工賃」で完結する

本題へと突入しよう。『フォーカル・ES 100 K for BMW』は、「BMW・M3」の音をどう変えたのか…。

なお今回は、純正のセンタースピーカーは取り外した。これを鳴らしてしまうと『ES 100 K for BMW』の音のバランスが崩れてしまうからだ。

さて、運転席に乗り込みテストトラックを流してまず思ったのは、「ヌケの良さ」だ。ベールが一枚取り払われたかのような印象を受けたのだ。サウンドステージの見通しが良く、各楽器の音の輪郭もシャープになっている。特に、高音楽器でその傾向が顕著だ。“トゥイーター”が追加されたことの効果が如実に表れている。

続いて感じたのは「質感の良さ」。音がきめ細かくスムーズで、しかもツヤがあり、暖かみもある。このあたりはさすが『フォーカル・K2パワーシリーズ』と言ったところか。至って聴き心地が良い。

ボーカルの再現性も上がっている。声質が生々しくなり、そして響きが豊かだ。さらには癒しの成分が増しているようにも感じられた。聴いていて、実にリラックスできるのだ。

また、低音がタイトになっていることにも感心させられた。低音は純正のサブウーファーが担当しているわけなので、そのクオリティは変わらないとたかをくくっていたのだが、変化がはっきりと感じ取れた。

これは、キットに含まれている各種部材による効果だろう。「専用-12dBパッシブネットワーク」により各スピーカーの再生音のバランスが取られ、そして「アコースティックシーラー」等でドアの不要共振も抑えられているから、とのことだった。

とにもかくにも、満足度の高いサウンドに唸らされるばかり。「スピーカー交換」の効果の高さ、そして『ES 100 K for BMW』の性能の確かさを確信できた。


■「センタースピーカーキット」もテスト。サウンドの質感もさらに向上!

そして今回は、スペシャルパーツも追加した。それは、「センタースピーカーキット」(税抜価格:4万円)である。『ES 100 K for BMW』には、「BMW・M3」のセンタースピーカーが装着されていたスペースにスッキリと収められる専用センタースピーカーキットも、オプションで用意されているので、これをセットし、その実力もテストしたのだ。

ちなみに、当キットも併せて取り付ける場合の「フォーカルプラグ&プレイ本店<木更津アウトレット前>」での工賃は、フロントスピーカーキットだけを取り付けるときの費用に8000円がプラスされるのみ、とのことだ。こちらにおいても取り付け部材はキットに含まれているので、追加費用が発生することはない。

これをシステムに組み込み、そのサウンドを体験してみると…。

一聴して驚かされたのは、「質感の良さ」が向上していることだった。スピーカーのグレードはフロントスピーカーと同様であるので、「質」が変化することは予想外だったのだが…。

その秘密は、キットに施されている“チューニング”にある、とのことだ。『ES 100 K for BMW』との音響的なバランスの最適化が図られていて、さらに、センタースピーカーに対しての役割分担も緻密に計算されている。結果、サウンド全体の情報量が上がり、質感が向上した、というわけなのだ。

その上で、センターイメージのフォーカスの良化も顕著だ。高度なプロセッサーでステレオイメージが整えられたときのように、音像の立体感、リアリティが上がっている。

この音を知ってしまうと、これ抜きのサウンドには戻り難い。試聴をしたならば、センタースピーカーキットまで 欲しくなることは間違いないだろう。効果は絶大だった。

市販スピーカーに交換しそのサウンドを確かめて、純正スピーカーには多くを期待できないことを、つくづく実感させられた。ドライブをもっと快適で楽しいものにしたいと思ったとき、「スピーカー交換」は威力を発揮する。

今の音に満足できていないという「BMW・M3」オーナーは、スピーカー交換を検討してはいかがであろうか。 その際には、『ES 100 K for BMW』を候補に入れることも、お忘れなく。

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