鉄建建設の超低空頭場所打ち杭工法のジオラマ。駅のホームの地盤改良を行っているところ。

建物などの建築物を支える杭には、工場でコンクリートや鋼材の杭を作ったものを穴を掘って打ち込む既成杭と、穴を掘ったところに鉄筋コンクリートを流し込む場所打ち杭がある。既存の建築物を増築、補強などを行うには場所打ち杭しか選べないが、これも従来の工法では施工する機械が大きく、建物内で工事を行うには制約が多かった。

鉄建建設がハイウェイテクノで模型展示した超低空頭場所打ち杭工法は、従来の半分以下の高さとなる全高1.8mを実現した掘削機を開発し使用するもの。これにより駅舎やホーム上の地下や高速道路の橋脚下でも場所打ち杭による改良工事などしやすくなるそうだ。

施工の模様を再現したジオラマを展示していたことで、目を引く存在になっているばかりでなく、構造も極めて分かりやすかった。

これまで18件ほどの施工実績があり、多くは鉄道駅の改良工事だが、東京都内の環状8号線の陸橋を長寿命化させる工事などにも使われているそうだ。駅構内などで大きく囲いされている工事などでは大きな騒音などがなくても、実はここまで大規模な補強工事が行われているかもしれない。

機械の名称はコンパクトリバースJET18。先端の掘削ビットを回転させて掘り進む。最大50mの深さまで掘れるそうだ。 こちらは高速道路の橋脚下での施工。すでに建設済みの道路を補強するためにも使える。 右が掘削ビットを掘り進めているところ。左の鉄筋が出ているものがコンクリート製の場所打ち杭だ。