交通トラブルのうち、他車の運転者に怒りを覚えるという「ロードレイジ=Road Rage」による事件は、今年6月に東名高速道路で発生した事件を発端として、ここ最近では社会問題として大きく取り上げられるようになってきた。

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10月下旬、東京都足立区内の都道で前走車を煽り立て、追突事故も誘発して相手方の運転者を負傷させたまま逃走したとして、警視庁は20日までに47歳の男を危険運転致傷やひき逃げの容疑で逮捕した。

警視庁・西新井署によると、事件は2017年10月26日の午前9時ごろ発生している。足立区西新井付近の都道を走行していた乗用車に対し、後続のワゴン車が執拗に煽り立てながら約1.2kmに渡って走行。最終的には乗用車の前方へ強引に割り込み、急ブレーキを掛けて追突事故を誘発したという。

追突によって乗用車を運転していた埼玉県さいたま市南区内に在住する30歳の男性が頚部打撲などの軽傷を負ったが、ワゴン車はそのまま逃走したことから、警察では交通トラブルを起因とした軽傷ひき逃げ事件として捜査を開始。防犯カメラ映像などから車両を特定し、千葉県船橋市内に在住する47歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

聴取に対して男は容疑への関与を大筋で認めているが、「相手が割り込んできたので腹が立ってやった」などと供述しているようだ。警察では相手方の男性からも事情を聞き、事件発生の経緯を詳しく調べる方針だ。

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東名高速道路の事件が容疑者が逮捕されたのは10月10日。この事件に関連した報道がテレビや新聞を賑わせていたその最中でもある同26日にこの事件は発生している。

「前走車を執拗に煽り立て、事故を誘発する」という本件の行為は東名高速道路のそれと大差ないものだが、容疑者にとっては他人事だったのだろうか。