石井啓一国交相《撮影 中島みなみ》

石井啓一国土交通相は21日、「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」を設置。28日に第一回を開催することを明らかにした。

不適切な完成検査が自動車メーカーで続いたことで、完成検査の意義を再確認する。事案の発生の原因の中に、完成検査制度のあり方の適性を問う意見もあるため、完成検査のあり方を改めて整理すると同時に、国交省の監査のあり方、自動車メーカーが行う完成検査の方法、現状の通達内容などを議論する。

自動車メーカーが設計当初に目指す品質と、同じ水準の車両を大量に製造する過程では、一定数の不良率が生じる。完成検査はこうした車両を市場に出さないための安全制度として位置付けられている。一方で、メーカー自身が自主的に行う他の検査で安全性が担保できているという考え方で、完成検査そのものの意義を問う声もある。国交省としては、タスクフォースでの検討は、制度の是非を問うのではなく、こうした意見に応える形で、課題の整理を行っていくことになりそうだ。

タスクフォースの検討内容は、来年3月を節目に、結論または中間報告を行う。

国交省からは自動車局長、次長と完成検査に関係する総務課長、審査・リコール課長の4人。弁護士、大学教授、研究者4人の有識者から構成される。日本自動車研究所認証センターの審査部長は、自動車メーカー出身者。自動車メーカーの意見は、検討会の中で聴取する。

有識者側の構成員……梅林 啓(弁護士)、櫻井敬子(学習院大学法学部教授)、大聖泰弘(早稲田大学研究員特任研究教授)、竹内啓祐(日本自動車研究所認証センター審査部長)