石井啓一国交相(17日・霞が関)《撮影 中島みなみ》

石井啓一国土交通相は17日、日産自動車が同日午後に同自動車局を訪れ、完成検査の不適切事案に関する報告を行うことを明らかにした。

国交省は9月29日に日産に対して、1か月を目途に報告を行うことを指示した。当初は関連会社の日産車体湘南工場への立入検査で発覚した補助検査員ら無資格者による完成検査についての報告だった。その後、不適切事案が拡大。同様の事態が国内6か所の生産拠点で行われていることなどがわかった。また、同社が不適切事案を解消したと明言した後にも無資格者の検査が続き、半月以上遅れる事態となった。

また、完成検査員を認定する検査でも、確認試験で問題と解答がいっしょに配布されるなど、検査を行う知識を有しているとはいえないずさんな認定が行われていたことに加えて、検査の水準を維持するために義務付けられている検査エリアの事前届け出についても無届だった。

これらの不適切事案は、同社単体では把握できず、第三者を含んだ調査委員の聞き取りなどを通じて明らかになった。報告書には、法令順守意識が極めて希薄だったことについての原因究明、今後の対策が盛り込まれている。