不適切な完成検査で、国交省が最初に立ち入った日産車体湘南工場《撮影 中島みなみ》

日産車体は11月8日、2017年4-9月期(第2四半期累計)の連結決算を発表。完成検査問題に関わるリコール費用45億円を特別損失に計上したことで、最終損失は2億4800万円、中間期としては18期ぶりの赤字となった。

第2四半期連結累計期間の売上台数は前年同期比10.4%増の11万2452台。中近東向けの『パトロール』などの減少があったものの、昨年6月に生産を開始した北米向けの『アルマーダ』やインフィニティ『QX80』が増加した。これに伴い、売上高も同20.2%増の2906億5700万円と増収だった。

営業利益は増収などにより同44.3%増加の40億6900万円、経常利益は同40.6%増の43億0600万円となった。しかし、リコール関連費用45億円を特別損失に計上したことなどで最終損益は、前年同期の13億6400万円の黒字から2億4800万円の赤字となった。

なお、リコール関連費用は今年9月、国土交通省の指摘により、完成検査工程において不適切な取扱いが判明し、日産自動車がリコールの届出を実施したことに伴い、日産車体が製造するリコール対象車種に係る再点検費用を現在入手可能な事実と状況に基づき、特別損失に見積り計上したもの。見積額は日産自動車との協議を経て最終的に確定する予定だ。

通期業績予想も、大幅に下方修正。売上高6400億円(前回予測比−300億円)、営業利益125億円(−15億円)、経常利益131億円(−14億円)、純利益54億円(−42億円)とした。

日産アルマダ(北米) 日産パトロール(中近東)