電動三輪車として取り回しの良さを特徴とする「ILY-Ai」

アイシン精機などアイシングループ3社は、カナダ・モントリオール市で開催された「第24回ITS世界会議モントリオール2017」に出展。「夢を叶える未来のモビリティライフ」を実現する技術の一つとしてパーソナルモビリティ『ILY-Ai』の最新版をワールドプレミアした。

ILY-Aiは、目的地での“ラストワンマイル”を実現するための三輪タイプの電動スクーターとして、各地のショーでは既にお馴染みで、今年開催された東京モーターショーにも出展されたばかりだ。第24回ITS世界会議ではさらに機能アップした最新版のILY-Aiが登場。会場では繰り返しデモンストレーションされた。

4つのモードを備える基本的な走行形態は従来と同じだが、最新版では追従時の認識精度を大幅に高めたことがポイントとなる。そのために、従来の3次元LiDAR/カメラに加え、車体の左右に2次元LiDARとカメラを追加。ここで得た情報を元にAIが周囲の状況を高精度に判断し、混雑した場所でも迷うことなく追従するようになったという。

また、この搭載によって斜め後方での追従も新たに実現。スマートフォンでその追従方法の指定もでき、真後ろだけだった従来に比べて、先導車から追従状況をより確認しやすくした。これは自動運転の実現にも通じる技術でもある。

ILY-Aiは、三輪という小回りの良さも手伝って、想像以上にスムーズに取り回せそうな印象だ。ただ、このようなパーソナルモビリティは、世界的に普及が進んでおり、それに伴って事故も増える傾向にある。その状況下で事故を未然に防止するのに必要なのが知能化だ。アイシンはこの試作機を通じて実績を積み上げ、2020年頃までには実用化したい考え。

モントリオールで開催されたITS世界会議で初披露された「ILY-Ai」の最新版 LiDARを使うことで周囲の状況を把握しながら走行するのは自動運転技術にも通じる フロントに搭載した3次元LiDAR 左右2カ所に搭載された2次元LiDAR スマートフォンで通中その方法が選べる 3D&2DのLiDARとカメラによる識別で追従性を大幅に高めた 1マイル程度の走行を想定した「ILY-Ai」 【ITS世界会議2017】アイシンがパーソナルモビリティ『ILY-Ai』の最新版をワールドプレミア 4つの利用形態を持つ「ILY-Ai」 ILY-Aiのイメージ映像