取得した情報をクラウドを介して共有を可能にしたAI搭載球形タイヤ『Eagle 360 Urban』《撮影 愛甲武司》

日本グッドイヤーは、「東京モーターショー2017」に出展。今年3月に海外で発表していたAI搭載球形タイヤ『Eagle 360 Urban』を日本初公開した。完全自動運転時代を想定したコンセプトタイヤで、タイヤ自体がセンシング機能を持つユニークな発想を持つ。

26日に開催されたプレスカンファレンスでは、グッドイヤーのアジアパシフィック消費財タイヤ部門 副社長 ライオネル・ラミレス氏と、同アジアパシフィック 製品開発部門 副社長 デビッド・ザンジグ氏が登壇した。

ラミレス氏はまずグッドイヤーの歴史を振り返り、「グッドイヤーのブランド名は、硫黄などを加えることでゴム系原材料の弾性をより大きくできるプロセスを発見したチャールズ・グッドイヤーにちなんだもの。1898年の創立以来で、100年を超える歴史と実績を持ち、月面を走行する初めてのタイヤを作ったことでも知られる」と説明した。

グッドイヤーは現在、世界の21カ国で47工場と2つの技術革新センターを擁し、そこで働く従業員は6万5000人を超える。グローバルで販売するタイヤは年間1億6600万本にも及び、152億ドルもの売上げを達成しているグローバル企業だ。

そうしたなか、グッドイヤーが目指す戦略としてラミレス氏は、「豊かなブランド体験を消費者に提供し、小売店や自動車メーカーとの間で長きにわたるパートナーシップを築き上げることにある。その要となるのが品質と技術革新で、グッドイヤーはここに惜しみない力を注いできた。それが最先端のタイヤを生み出すことを可能にしている」と製品作りの背景について語った。

製品開発部門を担当するザンジグ氏からは、グッドイヤーが示す3つの技術革新ステップが紹介された。

「1つは“今日”のニーズを満たす技術開発で、運転を心から楽しめるようにドライバー中心に置いたタイヤの開発だ。2つ目が、“将来”への持続可能な社会に向けジャンプする技術開発のステップ。グッドイヤーのエンジニアは技術革新に常に取り組み、これは高性能タイヤの開発を優先するだけでなく完璧な走行を実現する上で持続可能なソリューションを生み出すものだ。そして3つ目が“未来”の飛躍に向けての技術開発で、グッドイヤーはタイヤの技術革新で常に最先端の位置にいる。今までにない革新的技術で新たなビジネスモデルを開拓することで、未来を形にしていく」のだという。つまり、その未来の具体例がEagle 360 Urbanでもあるわけだ。

Eagle 360 Urbanについてザンジグ氏は、「一つ前の世代の『Eagle 360』を進化させたもので、タイヤ自身が、感知、判断、変形、インタラクト(相互に作用し合う)という能力を持たせた、AI技術を搭載する初のコンセプトタイヤだ。これにより、タイヤが頭脳を備え、そこで得た知識を実践に移すことが可能となる。これらは今後、未来の都市部で実現が予想されるIoTによるコネクティッドワールドの一部になる」と説明した。

また、2018年2月に発売される予定の『EffientGrip Performance SUV』を発表。プレミアムな走りを要求するSUV向けのタイヤとして販売される。

東京ビッグサイト東6ホールで開かれたグッドイヤーのプレスカンファレンス《撮影 会田肇》 取得した情報をクラウドを介して共有を可能にしたAI搭載球形タイヤ『Eagle 360 Urban』《撮影 会田肇》 路面の変化を検知して自在に変化するAI搭載休憩タイヤの初代『Eagle 360』《撮影 会田肇》 アジアパシフィック消費財タイヤ部門 副社長 ライオネル・ラミレス氏《撮影 会田肇》 ラミレス氏は、グッドイヤーの革新的技術が生まれる背景を歴史を振り返って説明した《撮影 会田肇》 製品開発部門 副社長 デビッド・ザンジグ氏《撮影 会田肇》 AI搭載球形タイヤ『Eagle 360 Urban』が生まれた技術的な背景を説明する ザンジグ氏《撮影 会田肇》 路面状況をモニタリングしタイヤが自在に変形するTriple Tube構造を持つ「モーフィングタイヤ」《撮影 会田肇》 熱伝素子と圧電素子によって発電を可能にした「発電タイヤ」BH-03《撮影 会田肇》 2018年2月に発売を予定するSUV向けプレミアムタイヤ『EffientGrip Performance SUV』《撮影 会田肇》 グッドイヤーブース(東京モーターショー2017)《撮影 愛甲武司》 グッドイヤーブース(東京モーターショー2017)《撮影 愛甲武司》 グッドイヤーブース(東京モーターショー2017)《撮影 愛甲武司》