環境省(東京モーターショー2017)《撮影 大野雅人(GazinAirlines)》

国で推進している「エコドライブ10のすすめ」の最初に掲げられている ふんわりアクセル「eスタート」。その中身は「最初の5秒間で、20km/h」が目安である。○か? ×か?

環境省は、2030年度に温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減するという目標達成(パリ協定)へ向け、「賢い選択」を啓発させる「COOL CHOICE」を展開。ブースでは10項目のエコドライブ作法を来場者に解説し、10月28日のステージでは、「チョイス!エコカー」キックオフイベントが行われた。

キックオフイベントには、環境省地球環境局地球温暖化対策課の松澤裕氏をはじめ、トヨタ自動車の石原菜穂子氏、三菱ふそうトラック・バスの加藤哲朗氏が登壇。国、乗用車メーカー、バス・トラックメーカーの3者が、それぞれにエコカー普及へ向けた取り組みを伝えた。

◆国、トヨタ、三菱…3者のビジョン

環境省の加藤氏は、次世代自動車の普及目標について「2030年までに新車販売に占める次世代自動車の割合を5〜7割にする」と伝え、2016年実績でシェア0.3%ほどの電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)について、2030年に20〜30%へと引き上げる構え。燃料電池自動車についても、現状0.02%という極わずかなシェアから、2030年には「3%まで拡大させたい」という。

また、トヨタの石原氏は「運輸部門の二酸化炭素排出量は、2001年度をピークに減少傾向。エコカーのさらなる普及拡大や、ITS・高度信号制御などで、2030年までにさらに排出量を28%削減させたい」と伝えた。

さらに三菱ふそうトラック・バスの加藤氏は、「多段化ギアや機械式自動変速トランスミッション(AMT)、電子制御などで、燃費のいい領域で走らせることをもっと追求していく。また、GPSと地図情報を利用し、勾配などの道路状況を予測し、最適なギア段を自動選択できる技術も向上させていきたい」と話した。また、もうひとつのCO2削減のカギとして液化天然ガス車の普及をあげた。

「圧縮天然ガス(CNG)は、構造が大きくなるデメリットがあるけど、液化天然ガス(LNG)は極低温液化することで、航続距離や充てん時間の面でも有利」(加藤氏)


◆すべてのドライバーへ「エコドライブ10」

そして冒頭の質問は、同イベントで来場者に出題したクイズの第1問。正解は、環境省ブースのエコドライブ講座で解説されている。環境省が推奨するエコドライブ10は次のようなものだ。

01. 最初の5秒でゆったり20km/hへ(燃費10%改善)
02. 車間距離をあけて加減速を減らす
03. 減速時は早めにアクセルオフ(燃費2%改善)
04. エアコンを適宜オフ
05. 無駄なアイドリングをカット(暖機10分で燃料約130cc消費)
06. 渋滞を避け余裕を持って出発
07. 適正なタイヤの空気圧
08. 不要な荷物を下ろす(100kgの荷物で燃費3%悪化)
09. 走行の妨げとなる駐車をやめる
10. 自分の燃費を把握する

環境省ブースでは、こうしたエコドライブの啓発のほか、異常気象によって渋谷交差点がどう激変するかなどを仮想体験できるVRコーナーなども設置。一般公開初日の28日はVRコーナーに行列ができていた。

また、環境省 COOL CHOICE の女子キャラ、君野イマと君野ミライが出演する動画「『エコカー』で色々おトクなカーライフ。」が公式YouTubeで10月27日に公開された。

環境省(東京モーターショー2017)《撮影 大野雅人(GazinAirlines)》 環境省(東京モーターショー2017)《撮影 大野雅人(GazinAirlines)》 環境省(東京モーターショー2017)《撮影 大野雅人(GazinAirlines)》 環境省(東京モーターショー2017)《撮影 大野雅人(GazinAirlines)》