来年1月末のデイトナ24時間レース参戦が決まったフェルナンド・アロンソ。《写真提供 Honda》

2005、06年のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソが、来年1月のデイトナ24時間レースに参戦することが決まった。モナコGP、インディ500、ルマン24時間からなる「世界3大レース」制覇へ向けて、アロンソがまた新たな動きを展開する。

スペイン出身の36歳で、ルノー在籍時代にF1ダブルワールドチャンピオンとなったアロンソ、その主戦場は現在もF1だ。来季2018年についても、搭載パワーユニットをホンダ製からルノー製に換えるマクラーレンへの残留が19日に正式発表されている。

一方でアロンソは、過去に達成者がグラハム・ヒルひとりだけとされる偉業、F1モナコGP、インディ500、そしてルマン24時間レース総合優勝という「世界3大レース」制覇を目標に掲げており、今年2017年はマクラーレンとホンダの協力のもと、インディ500に初出場を果たした経緯がある(今年のインディ500優勝は佐藤琢磨)。

既にモナコGP優勝経験のあるアロンソにとって、インディ500とルマン24時間が“3冠”制覇のためのターゲットとなるわけだが、そのなかで今回、来年1月のデイトナ24時間レース参戦が決まった。マクラーレンが26日に発表している。

世界3大レースでこそないが、デイトナ24時間も北米伝統の由緒あるレースイベント(現在はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の一戦)。プロトタイプとGTカーの両カテゴリー混走という意味も含め、広義でとらえてルマン24時間に近い性質をもつ。ルマン制覇に向けてのアロンソの具体的第一歩、と考えていい動きである。

アロンソは2018年1月25〜28日にフロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるデイトナ24時間に、「リジェJS P217」というプロトタイプマシンで参戦する。ユナイテッド・オートスポーツ・スポーツカー・チームからのエントリーで、フィル・ハンソン、ランド・ノリスとのトリオ編成で臨む予定だ(ノリスはマクラーレンが育成する若手で、今季の欧州F3チャンピオン)。

アロンソは「とてもエキサイティングでおもしろいプロジェクトになる。マクラーレンをはじめとする、僕の冒険の支援者たちに感謝したい」と語り、「新しいレースカテゴリーを学び、それにドライビングやすべての要素を適合させていくことは、まさしく自分にとって新しい挑戦だ。再び(インディ500に続いて)自分自身をドライバーとしてテストする機会でもあり、それが待ちきれない」と意欲を示す。

「デイトナ24時間も多くの人が知るイベントであり、世界有数の偉大な耐久レースだ。“トリプル・クラウン”(3冠)に数えられるレースではないけれどね。常に言っているように、僕の目標は完全なドライバー(complete driver)になること。今度の経験は、僕がいつか参戦するであろう別の耐久レース(ルマン)に向けての良い準備にもなると思う」

F1での王座戦線復帰とともに、あるいはそれ以上に期待されるアロンソの世界3冠挑戦。その冒険が再び明確な動きをはじめたようだ。現段階で来季のインディ500とルマン24時間についての具体的な参戦の話はないが、引き続きその動向が注目される。

F1でもナイトレースを戦っているアロンソが、デイトナの闇に挑む。《写真提供 Honda》 アロンソと佐藤琢磨(今年の日本GPのイベントにて)。《写真提供 Honda》 2017年のF1シーンにおけるアロンソ。《写真提供 Honda》 2017年のF1シーンにおけるアロンソ。《写真提供 Honda》 2017年のF1シーンにおけるアロンソ。《写真提供 Honda》 2017年のF1シーンにおけるアロンソ。《写真提供 Honda》 世界3冠制覇へ、残すはインディ500とルマン24時間。《写真提供 Honda》