スバル本社ビル(渋谷区)《撮影 中島みなみ》

SUBARU(スバル)は27日夕方、渋谷区恵比寿の本社で緊急会見を開いた。吉永泰之社長は出荷前の完成検査で「完成検査員でない人を登用して業務に従事させていた」ことを明らかにした。

この無資格者に完成検査員の印鑑を貸与し、代行押印を行っていた。吉永氏は「現場経験を積ませている間に、重要な仕事をしているのだという意識付けのため」と説明した。

同社では完成検査ができる資格を以下のように定めていた。必要な知識と技能を備えたと現場管理者に認められた後に一定期間、担当検査工程に従事させる仕組みだ。“研修期間”は自動車整備士資格のランクによって2級は2か月、3級は3か月、資格なしは6か月で、その後に行う筆記試験に合格した場合に完成検査員として認定した。

不適切な検査は、この見習い期間中の作業者が完成検査を行った。こうした作業員は社内調査直前の10月1日現在で4人。最大で17人だった。完成検査員は同日で245人いる。

「完成検査は非常に重要な行為。よりきちっとやろうとしてきた。人数見てもらえばわかるが、工数不足で代行していたわけでは絶対にない」と、吉永氏は理解を求めた。

不適切な検査による新車についてはリコールを検討中だ。執行役員の大崎篤品質保証本部長はその影響について語った。「すべての車種が対象。リコールとなるのは25万台程度。その中には、OEMで供給するトヨタ『86』も一部含まれる」。

スバルの不適切な完成検査ついて謝罪する吉永泰之社長(手前)と大崎篤品質本部長《撮影 中島みなみ》