コンセプトモデルSORA

トヨタ自動車は、10月18日、燃料電池バスのコンセプトモデル『SORA』を公表した。このコンセプトモデルをベースにした市販型が2018年から発売される予定で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のSORAが導入される予定である。

コンセプトモデルSORAは、「受け継がれていく街のアイコン」を開発コンセプトに、FCユニットの特性を最大限に生かし、路線バスのうれしさを大きく高めたバスとなった。名称の「SORA」とは地球の水の循環を表しており、Sky、Ocean、River、Airの頭文字だという。そんな、コンセプトモデルにトヨタは2つの想いを込めた。

1つ目は「社会の“奉仕車”」。

「トヨタフューエルセルシステム」を採用し、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を実現、また、大容量外部給電システムを搭載しており、高出力かつ大容量の電源供給能力(最高出力9kW、供給電力量235kWh)を備え、災害時に電源としての利用を可能にするなど、世のため人のために働くクルマであるからこそ、環境に配慮するとともに、モビリティサービス以外でも社会に貢献できるバスとなっている。

2つ目は「人を中心に据えた、ユニバーサルデザインと機能」。

ベビーカーや車いすスペースに自動格納される座席を設け、一般利用者の居住性を向上させる「自動格納機構付き横向きシート」や、車内外に配置した8個の高精細カメラがバス周囲の歩行者や自転車などの動体を検知し、運転手へ音と画像で知らせ、安全性を向上に貢献する「バス周辺監視機能」、従来のバスと比べて、モーター走行により変速ショックがないことに加え、急加速を抑制し緩やかな発進を可能とし、車内で立っている旅客の安全性を配慮する「加速制御機能」に加え、路面の誘導線をカメラが検知し、自動操舵と自動減速により、バス停とバスの隙間を約3〜6cm、バス停車位置から前後約10cmの精度で停車させる「自動正着制御」など、いずれも日本初である機能が多数搭載されている。また、車車間通信や路車間通信による運転支援システムITS Connectに、バス同士の車群走行の支援やバス優先の信号制御(PTPS)を追加したシステムを導入することで、バスの輸送力、速達性や定時性が向上し、利便性が高まるなど、不特定多数のお客様が利用するからこそ、「利便性」と「安全・安心」にこだわり、すべてのお客様に、「乗ってよかった。また乗りたい」と思われるバスを目指している。

デザインは、従来の路線バスに見られる六面体(箱形)から大きく異なる立体的な造形を追求、前後輪を車体で覆い、前後ランプにLEDを採用、一目でFCバスとわかる特徴的なデザインとした。

コンセプトモデルSORAは、10月25日から11月5日まで、東京ビッグサイトで開催(一般公開は10月28日から)される「第45回東京モーターショー2017」に出展される。

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