日産車体のホームページ

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年10月18日付

●米FTA日本は警戒、経済対話、TPP平行線(読売・1面)

●空自ヘリ墜落、浜松沖夜間訓練中4人不明(読売・35面)

●日産、社長謝罪後も不正、無資格検査公表せず(朝日・1面)

●神鋼、米司法省が調査、悪質性を判断捜査も(朝日・8面)

●自動運転誤差数センチ、衛星活用三菱電機が公開(朝日・8面)

●豪州、自動車生産ゼロに、雇用確保が課題起業拠点化も(朝日・3面)

●神鋼不正「40年以上前から」元社員ら証言合格証改ざん(毎日・1面)

●NY株一時2万3000ドル初突破(産経・2面)

●無線LANに深刻欠陥、暗号化関連の技術注意喚起(産経・26面)

●EV生産現場も進化を、ホンダの八郷隆弘社長(東京・6面)

●英の高速鉄道初日日立車両トラブル、遅延や水漏れ(東京・6面)

●自動運転向けカメラ参入、クラリオン、夜間も高画質で撮影(日経・14面)

●ボルボ、EV戦略ブランド、ガソリン車禁止見込む(日経・15面)

●ブリヂストン株上場来高値更新、タイヤ、EV向けに競争力(日経・17面)

●乗用車・商用車を分社、ダイムラー、持ち株会社に(日経・15面)

●霧の中もOK 三菱電機、自動運転アクセル(日経・15面)

●3年で6000億円投資、三菱自4割増EV重点(日経・15面)

●三菱自動車、適正に検査、国交省に報告(日経・15面)


ひとくちコメント

神戸製鋼所の品質検査データの改ざん問題で、不正が「少なくとも40年以上前から」とのOBなどの衝撃的な証言も飛び出すなど、連日のように大きく取り上げているが、その反動なのか、116万台もの大量リコールを届けた以降、日産自動車の無資格検査の問題がすっかり影を潜めていた。

ところが、きょうの朝日が1面トップで「日産、社長謝罪後も不正」「無資格検査、公表せず」との大見出し。産経も1面で「日産、発覚後も無資格検査、3800台、一部工場で継続」と伝えている。

事実だとすれば余りにも無神経すぎるあきれ返った話なのだが、一体どういうことなのか。記事によると、9月に国が問題を指摘した後も、一部の工場で10月11日まで、検査に無資格者が関わっていたことがわかったというのである。無資格者による検査を続けていたのは日産車体の湘南工場。弁護士ら第三者を交えた社内調査で発覚したそうだ。

日産は新たな問題発覚を受け、湘南工場からの車の出荷を一時止め、改めて品質確認を行ったというが、公表せずに出荷は16日に再開したという。

産経も同様な記事を取り上げているが、それによると、日産車体湘南工場で、補助検査員2人がステアリングを回して角度を確認する工程の一部を受け持っていたそうだ。ただし、「補助検査員が関わった車両は約3800台に上る」としているが、「保安基準を満たしているため、新たなリコールは行わない」と伝えている。

朝日は、西川広人社長が10月2日に開いた記者会見の発言にも言及。「『9月20日以降は認定の検査員が100%行うようになった』と述べ、謝罪もしたが、その後も不正が続いていたことになる」と指摘している。さらに、会見で人手不足を否定した発言についても「現場からは人手不足をうかがわせる証言が出てきた」と取り上げている。

その後の危機管理対応の甘さからも、経営陣と現場との風通しの悪さや“不正の上塗り”まで発覚した以上、虚偽発言まで指摘された西川社長らの経営責任が問われる重大な局面を迎えたことになる。

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