デンソーは10月17日、米エクスペリ社傘下のアイルランド・フォトネイション社と、車室内検知分野の共同技術開発を開始すると発表した。
デンソーは、車室内カメラでドライバーを撮影し、画像認識技術により顔の向きや眠気を推定する先進安全製品「ドライバーステータスモニター」を、2014年から大型トラックや大型観光バス向けに提供。独自のアルゴリズムでまばたき状態を詳細に解析することで、ドライバーが自覚していない浅い眠気も推定し、脇見運転や居眠り運転が疑われる際に注意喚起して交通事故の未然防止を図っている。
フォトネイション社は、最先端の技術によって10年以上前からコンピューターイメージングソリューションの組み込みをリード。同社が開発した技術は、携帯端末やカメラ、ドローン、監視カメラ、セキュリティー関連商品に使用されており、スマートフォンにおける採用シェアは約25%を占める。
今回の協業では、デンソーが培ってきた車載環境における認識のロバスト性向上技術と、フォトネイション社の先進的な顔画像認識やニューラルネットワーク技術を融合。外部からの影響による光の変化の激しい車室内で、顔の個人差や、サングラス、マスクといった着用物の影響を受けないドライバー状態検知の実現を目指す。
具体的には、目、鼻、口など主要な顔部品を検知する従来の方法から、フォトネイション社の顔画像認識およびニューラルネットワーク技術により検出する顔特徴点を格段に増やすことで、検知精度と顔の部分隠ぺいに対するロバスト性を高める。さらに、視線、表情検出等の新規機能を開発し、そこから推定されるドライバーの内面理解を深め、ドライバーが快適に過ごせるようなクルマ作りを進めていく。
デンソーは、共同開発技術により、商用車向け先進安全製品「ドライバーステータスモニター」の性能向上を図るとともに、自動運転時の運転権限移譲のための状態判定など、乗用車市場への今後の拡大を見据えた次世代型製品開発を加速させる。
なおデンソーは、10月27日〜11月5日に開催される東京モーターショーで、次世代型ドライバーステータスモニターを参考出展する。
デンソーとフォトネイション社、画像認識で協業…次世代ドライバーステータスモニターの開発強化
2017年10月17日(火) 17時03分
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