ダイムラーの子会社のムーヴェルの自動運転実験車

ドイツの自動車大手で、メルセデスベンツを擁するダイムラーは10月11日、ユニークな自動運転実験車を発表した。

この自動運転実験車は、ダイムラーの子会社のムーヴェル(moovel)グループが開発。同社は、カーシェアリングなど、ダイムラーのモビリティサービス事業を統括する新興企業。

ムーヴェルの新たな研究プロジェクトとして発表されたのが、自動運転実験車。「Who Wants to Be a Self-Driving Car」をテーマに、自動運転車の頭脳が見る世界を、人間がバーチャル体験できるのが特徴。VRヘッドセットを装着し、この自動運転実験車に乗り込む。ダイムラーによると、頭を前方に向けて横たわる姿勢は、被験者の動きの感覚を高め、知覚に完全に浸ることを可能にするためだという。

VR体験は、2種類のセンサーによって行う。メインビューでは、3Dカメラのデータを使用して、風景をリアルタイムで表示。3Dカメラの画像情報は、車両周辺の物体を認識することで補完される。また、LiDARセンサーは、車両周辺の物体に向かって送られた光インパルスを使用して、センサーからの距離を測定する。これらのさまざまな情報は、すべてVRヘッドセットで結合され、車両を自動運転するために必要なデータを被験者に提供する。

10月下旬にミュンヘンで開催されるPush UXカンファレンスや、11月にベルギーで行われるKIKKフェスティバルの来場者は、この自動運転実験車を試すことが可能。ダイムラーは、「自動運転車の目を通して、世界を見てください」とコメントしている。

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