三菱電機ブース撮影 佐藤耕一

三菱電機は CEATEC JAPAN 2017 に出展し、準天頂衛星『みちびき』を利用したセンチメートル単位の位置測位技術をアピールした。

日本でGPSを利用する場合、浅い角度に位置する測位衛星からの信号を受信することになるため、遮蔽物などで可視範囲に測位衛星が3機以下になると、著しく測位精度が下がる問題がある。

準天頂衛星はその問題点をカバーするもので、日本のほぼ天頂を衛星が飛ぶため、高い精度で位置測位ができる。みちびきは三菱電機が開発した準天頂測位衛星で、現在3機が日本上空を飛んでおり、今月には4機目が発射される予定となっている。そして先月には、みちびきから発信される測位信号を利用した高精度測位サービス『CLAS(シーラス)』の実証実験が開始された。

担当者は、「最初に打ち上げたみちびきから、測位信号の試験発信が開始されました。これを利用したセンチメートル単位の測位サービスCLASと、当社が以前から取り組んでいる高精度3次元マッピングシステムによって作成した3次元地図を組み合わせて、例えば雪が積もって道路が判別しにくい厳しい状況でも、高精度な自律走行が可能になります」と説明する。

このようなインフラ型の自律走行を手掛ける一方で、三菱電機は、自動運転用のセンサーも手掛けている。「現在超音波センサーを提供していますが、カメラやミリ波レーダーも提供していく予定です」。ただ、このところ参入が相次いでいる3D LIDARについては「予定はない」とのことだ。

みちびきは内閣府が主導し、三菱電機が開発を担当した撮影 佐藤耕一 CLAS(シーラス)の仕組み撮影 佐藤耕一 センチメートル級の位置情報を受信するロケーター撮影 佐藤耕一 3次元高精度地図を計測するモービルマッピングシステム撮影 佐藤耕一 モービルマッピングシステムによる3次元高精度地図撮影 佐藤耕一 三菱電機のADAS製品群撮影 佐藤耕一