トヨタ自動車とAGC旭硝子は10月3日、気象条件に合わせてフレキシブルに開閉でき、省エネ効果を高めるガラス「上吊型ダブルスキンシステム」の共同開発を開始したと発表した。
自動車ディーラーのショールームやオフィスビルでは近年、大サイズのガラスを多用しており、夏季の冷房負荷の削減が重要課題となっている。従来はロールスクリーンや遮熱フィルムを導入していたが、日射しの遮蔽が十分ではなく、閉めた時の視認性が低下するなどの問題があった。
トヨタは、自動車はもとより生産工場や関連施設でのCO2排出量削減に向けた様々な取り組みを行う中で、「自動車ショールーム用開閉型簡易ダブルスキン」や「中小規模オフィス用局所分散型ダブルスキン」を開発・商品化してきた。今回、トヨタがAGC旭硝子に、さらに環境負荷を低減する「上吊型ダブルスキンシステム」の商品化構想を提案し、今回の共同開発に至った。
上吊型ダブルスキンシステムは、AGC旭硝子が自動車用ガラスとして開発した遮熱性能の高い「クールベール」を採用。冷房時は外壁のガラスと当製品の間の熱気をファンで排気することで冷房効率を向上し、暖房時はダブルスキンの効果で流出する熱を減少。高い空調負荷削減効果を実現する。
また、上部にはより高い遮光・遮熱のためのシートなどを、下部には視認性・遮熱性を考慮したクールベールを採用する二段構成とし、高い天井への対応も可能としている。
両社は今後、製品仕様の決定、性能および安全性の確認を行い、自動車販売会社のショールームやオフィスビルなどを対象に2018年春からの発売を目指す。
トヨタと旭硝子、自動車ディーラー向けガラスシステムの共同開発開始…高い省エネ効果
2017年10月03日(火) 17時15分
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