デンマークのリフトアップ社が開発した「ライザー」《撮影 山田清志》

東京ビッグサイトで開催された「国際福祉機器展2017」にはさまざまな福祉機器が展示されていた。そのなかで海外ものに力を入れて展示していたのが、福祉総合サービスを手がけるアビリティーズ・ケアネットだ。

「今回はうちが輸入販売している、これはというユニークなものを集めてみました」と同社関係者。出展に協力してもらった海外企業は23社で、広く陣取ったブースにはリハビリテーション機器、介護予防機器、移動用リフト、バリアフリー機器、モビリティ機器、入浴装置、車椅子などさまざまな製品が並んでいた。

その中で来場者が特に関心を寄せていたのが、デンマークのリフトアップ社が開発した「ライザー」という製品だ。これは寝ている人を立ち上がらせるという装置だ。部品点数が7点と少なく、分解も可能。しかも、その組み立て、分解にかかる時間がなんと1分以内というのだ。

まず介助者が利用者のところにライザーを持っていき、仰向けになった利用者の大腿部の下にモーターの入ったライザーシートを差し込む。そして、背部にライザーの背もたれも部分を差し込んで、ライザーシートにカチッと音がするまではめ込む。同様にライザー脚部をライザーシートにはめ込む。それで、安全ベルトを装着して、ボタンを押すと、モーターの力でライザーが起き上がっていくのに合わせて利用者も起き上がっていく。その際に介助者は頭を手で押さえる必要があるとのことだ。

「普通、この作業をするのに大人4人が必要でしたが、この装置を使えば一人ですみます。体重も150kgまで大丈夫です。日本にはこういうものがないので、いいと思います。これから本格的に販売していく予定です」とアビリティーズの関係者は話す。ちなみに価格は88万円だ。

そのほか、ブースには米国生まれの立って乗る車椅子や、中国生まれの電動3輪車「クルーザー」や伸縮式電動スクーター「コンパ」、クローラー型電動車椅子「UNiMO(ユニモ)」など乗り物があった。なかでも、コンパはボタン操作で簡単に全長や座面高が変えることができ、ハンドル、背もたれ、バスケットも折りたため、コンパクトに収納することが可能だ。ただ、いずれの商品も日本仕様に改良を行っているそうだ。

デンマークのリフトアップ社が開発した「ライザー」《撮影 山田清志》 デンマークのリフトアップ社が開発した「ライザー」《撮影 山田清志》 左が電動3輪車「クルーザー」で、右が伸縮式電動スクーター「コンパ」《撮影 山田清志》 伸縮式電動スクーター「コンパ」《撮影 山田清志》 クローラー型電動車椅子「UNiMO」《撮影 山田清志》 米国生まれの立って乗る車椅子《撮影 山田清志》