国際福祉機器展2017、日産/オーテックジャパンのブースでは話題の人気車種のライフケアビークルが並ぶ。その中で『セレナ・チェアキャブ・リフタータイプ』に注目したい。
日産のライフケアビークルのカタログを手に取ると、そのすべてに「出かける喜びを、一人でも多くの方へ」というメッセージが入っている。今回国際福祉機器展に持ち込まれたような福祉車両を開発する際、これはメーカーを問わず共通のメッセージであるに違いない。一部3ナンバーのグレードもあるが、ベースが5ナンバーサイズのセレナのチェアキャブリフタータイプは、そんなメッセージを日産のラインナップで強く体現したモデルだ。
ベースのセレナ自体の大きな開口部を活かして、5ナンバーサイズでは唯一の全自動リフターを備え、乗り降りを楽にしたモデルだ。「テールゲートの開口部は高さが120cmあり、座ったままの乗降でもアクセスが容易です。そして中に収まった際に、車いすのお客様の頭上スペースを確保するために、天井の一部を少し掘るようにしてあります」とブース担当者は話していた。
昇降能力は、車いす固定装置がオプションの電動式だと160kg(展示車両)、最大で170kgまで可能。電動固定装置の動きや操作、リフターの動は、静粛性が高く振動も抑えられた造りで、キャパシティだけではなく動きの質にもメーカー純正のクオリティの高さを感じた。
チェアキャブリフタータイプであっても、セレナ本来のシートアレンジのバリエーションは豊富。車いすの乗客と乗員の距離が近いことも、安心とドライブの楽しみが高まる。
何より車いすユーザーにとって、オートリフタータイプのチェキャブを5ナンバーサイズで実現したことで、行動範囲が広がる。
この他セレナには、スロープタイプのチェアキャブもラインナップする。スロープの勾配を緩やかにするために、車高を80mm下げる車高調整機構が標準装備される。この機能はリフタータイプにはつかない。こうした細かい仕様の違い、きめの細やかな造り分けはユーザーにとっても利点なのではないだろうか。
【福祉機器展2017】5ナンバーサイズが行動範囲を広げる…日産 セレナ チェアキャブリフター
2017年09月27日(水) 17時31分
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