アップル(9月12日) (c) Getty Images

世界最大規模のブランディング会社インターブランドは25日、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2017」を発表した。1位はアップルで、トヨタ自動車が自動車業界として、また日本企業として最高位の7位となった。

本ランキングは、グローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算して100位までをランキング化する。2000年から発表されており、今年で18回目だ。

ランキングでは、アップルとグーグルが5年連続で第1位と2位となり、アップルのブランド価値は前年比+3%の1842億ドル(約20兆7000億円)、グーグルは同+6%の1417億ドル(約15兆9000億円)となった。サムスンがアジアブランドとして最高位の6位にランクアップ、トヨタ自動車は7位となり、14年連続で自動車ブランドの最高位を維持している。5位のアマゾンは初のTop 5入り、8位のフェイスブックは初のTop 10入りだ。

東京都内で開催された発表会見で、インターブランドジャパンの並木将仁代表取締役兼CEOは「ブランド価値がどのように変化しているのか、が今年注目すべきテーマだ。『Grow. Change. Grow.』、変化が成長をもたらす。ブランドの成長と事業の成長との関係が重要だ。ブランドとビジネスは成長の両輪であり、ブランドが事業ドライバーの重要な一つである」と語る。1位になったアップルについて「世界を変える製品を開発するというコミットメントを堅持。世の中の変化に対応している」と分析する。

最も成長率の高いブランドは、フェイスブック(前年比+48%)だった。以下、成長率の高い順にアマゾン(+29%)、アドビ(+19%)、アディダス(+17%)、スターバックス(+16%)となった。並木CEOは「ブランドの成長に企業の歴史やセクター(業界・業種)は関係ない。人=顧客や従業員をブランドの中心にすえているところが成長している。またブランドの明確性とフォーカスも大切だ」と解説する。

今年からTop 100入りしたのは、ネットフリックス(78位)とセールスフォース・ドットコム(84位)が初のランクイン。またフェラーリは2013年以来のランキング復帰で、88位となった。「フェラーリはブランドをフォーカスし、顧客へのタッチポイントでうまくブランドを伝えている」と並木CEOはいう。

いっぽうTop 10の中で前年6位から10位にランクを落とし、ブランド価値を11%もへらしたIBMについては、「グローバルの売り上げが減少した。ブランドより事業に集中しているものの、ブランドの一貫性は維持している」と評価する。

日本ブランドではトヨタ自動車:7位、ホンダ:20位、日産自動車:39位、キヤノン:52位、ソニー:61位、パナソニック:75位の、合わせて6ブランドがランクインした。

トヨタ自動車:7位(前年5位)、503億ドル(約5兆6000億円。前年比ー6%)……ブランドが目指す未来のモビリティを示したコンセプトカー『Concept-愛i』の発表、長期的なブランドコミュニケーションの柱となるオリンピック・パラリンピックの最高位スポンサーシップ活動の開始など、明確なコンセプトで市場における存在感を維持している。いっぽう北米市場での販売の伸び悩みや、設備投資による、直近の財務状況がブランド価値に影響を与えた。

ホンダ:20位(前年21位)、227億ドル(約2兆5000億円。前年比+3%)……AIの活用に関して積極的な取り組みを進めており、継続的に市場の変化に対応している。新型『シビック』など競争力の高い商品でブランドの価値が向上した。エアバッグのリコール問題に関する財務的なリスクが軽減したことも、ブランドの信頼性の向上に影響を与えている。ブランドと事業の両輪で成長。

日産自動車:39位(前年43位)、115億ドル(1兆3000億円。+4%)……「Nissan Intelligent Mobility」を中心にブランドへの取り組みを継続、立ち位置を確立した。自動運転やEVをはじめとしたテクノロジーにより顧客ベネフィットを実現し、顧客体験の向上をもたらしていることで、競合優位性が向上し差別性を強化した。

セクター別のブランド価値では、テクノロジーと自動車で、ブランド価値合計の50%以上を占めた。「テクノロジーを活用するセクターが成長しており、統合プラットフォームとクラウドの利用が鍵だ」と並木CEO。自動車産業は次世代モビリティの開発で、テクノロジーブランドと競争・共創の時代に突入しており、持続的な成長が課題だという。

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