ZFの新開発安全システムを搭載する超小型EV

ZFは9月18日、超小型電動車両向けに高い乗員保護性能を発揮する安全システムを開発した、と発表した。

欧州を中心に、都市部における短距離移動では、小型の電動車両がトレンド。これらの小型車両に必要とされる効果的な乗員安全システム提供のためにZFは、EUの「プロジェクト・ビークル」に乗員保護分野におけるパートナーとして参画している。

マイクロモビリティ市場で最もニーズが高いのは「L7e」と呼ばれる最大出力15kW、最大重量400kg(乗員およびバッテリーを除く)の市街地向けEV。これらの超小型車両の課題は乗員保護にあり、これまでユーロNCAPの衝突テストにおいて、2つ星を超える評価を獲得したモデルはなかった。

そこでZFは、トップベルトとして設計された4点式シートベルトを開発。通常の3点式よりも事故の際の保護性能を向上させた。テンショナーとベルトフォースリミッターを統合した2つのリトラクターは、車両のリアルーフに取り付ける方法を採用。また、DLT(ダイナミック・ロック・タング)と呼ばれる量産システムの採用によって、事故発生時、乗員の胸部や肩にかかる拘束力を骨盤周辺よりも下げ、シートベルトによるケガを防止する機能も備える。

ZFは、新型サイドエアバッグも開発。通常シートのバックレストに装着されているサイドエアバッグを、アルミ製ドアビームに装着。さらに、AおよびCピラーに装備された外部保持ストラップ付のカーテンエアバッグは、側面衝突時における効果的な乗員保護を行う。

ZFは、「このカテゴリーで初めて、ユーロNCAPで最高の5つ星評価の獲得を目指して設計した」と説明している。