トヨタがスポーツカーシリーズとして新たに投入すると発表したブランド「GR」。「GR」とは「GAZOO Racing」の略であり、トヨタでもっとも小さな社内カンパニーである「GAZOO Racing Company」が担当する。
その活動は「GR」ブランドにおけるスポーツモデルの開発や発売だけでなく、モータースポーツ活動、そして新しい仕事のやりかたに果敢に挑戦してトヨタの変革をも促すことも担っている。
ちなみに「GAZOO」という表記の起源は「画像」。20年前、当時営業の地区担当だった豊田章男課長(現社長)は、販売店のバックヤード業務にトヨタ生産方式を導入して販売店の物流改善に着手した。そのなかで生まれたのが有志メンバーと開発した中古車画像システムが「GAZOO」という名称だったのだ。
「GAZOO」はその後トヨタの裏活動的なレース参戦を経て、現在では「GAZOO Racing」としてスポーツカーブランドにまで昇格。トヨタのメインストリームとは異なる、大きい会社の小さな組織として小回りの利く車両開発をおこなっていくことだろう。ワークスチームとしてレースをおこなうスタッフが市販車の開発にも関わるのが特徴だ。
今回の発表会において、そんな「GAZOO Racing Company」の今後を語ったのが同カンパニーのプレジデントである友山茂樹氏だ。「まずは標準車ベースのコンプリートカー作りからスタートし、次の段階ではスポーツカー専用のプラットフォームを手に入れる」。
そして驚くのは最終的なステップで「世界に通用するピュアスポーツカーを世に出してラインナップを完成する」というから楽しみだ。もちろんこの将来像は短期的なプランに基づいたものではないだろう。しかし、世界的な大メーカーのなかにスポーツカー専門のカンパニーが立ち上がった事実、そして今後はスポーツカーのラインナップとそのファンを増やしていくという決意からはクルマ好きとして目を離せそうにない。
【トヨタGR】トヨタの新しいスポーツカーブランド、トップが語る将来像
2017年09月21日(木) 07時30分
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